-アニメ鋼の錬金術師感想記- ……一週間遅れです。あしからず。
〜45話 第46話 第47話 第48話 第49話 第50話 51話〜
第46話 「人体錬成」 2004/09/04放映 「あなたは人間が好きではないのですか!?」
「どうして好きになれるのかしら。
あんな自分勝手で何の取り得もない生き物が。
ちょっと火薬の使い方を覚えただけで戦争だらけ。
もし彼らが錬金術の秘密を知り尽くせばどれほどの悲劇が……」
「それでも私は人間だ!……そして、あなたも!!」
冒頭。タッカーと再会したアルは、ニーナを蘇らせようとして賢者の石を使おうとアルに迫ります。…イマイチ分からないのがなんでタッカーはいまさらニーナをよみがえらそうとするのか、ってことです。(まぁ、いまさらそんなこと言うなって言われそうですが。)
それはともかく、タッカーは「等価交換」を提示し、賢者の石の使い方を教える代わりに、ニーナを蘇らすのに賢者の石を使わせて欲しいという条件を出してきます。承諾?したアル。
一方、エドのほうは、イズミ師匠を尋ねていました。イズミ師匠は、ダンテの家に潜んでいました。そして、イズミはダンテに対する疑問をエドに対して明かします。そして、エドの父であるホーエンハイムからダンテに対してあてられたラブレターの存在を知るエド。その手紙の日付がキリスト暦(もう使われなくなった暦)で400年前のものだと知ったエドは、全てのホムンクルスを操る者は自分の父ではないかという疑いを抱いたようです。(つまり、この世界は私達の世界の未来にあたるってことなんですか?びっくりですよ!)
力になれない、というイズミに対して、「ごめんなさい」と謝るエド。なんか、すごく悲しくなってきました。今からエドがやろうとしていることは、イズミが造った罪を葬り去ろうとしていることです。イズミを慰めるように肩を抱くシグさんが切ない。(しかし、文句を言わせてもらえば、ここで師匠らしく戦うとでも言ってもらいたかったですが。)
そして、北方遠征を命じられた大佐たちは何やら企んでいるようです。フュリー曹長の悪性の水虫には不覚にも笑ってしまいました。それにしても、ホークアイ中尉の眼鏡顔…なんか、妙に似合いますねぇ。いよいよ発つマスタング。なんと、マスタング准将だそうです。出世したなぁ。アームストロングも中佐へ昇進!そして、アーチャー中佐…なんか、すごいことに…。なんであれで生きているんでしょうか??しぶといです。
マスタングを北へ送った大総統。執務室から秘密の扉を使って地下へと降りていくと、目の前に、どこかの町並みが広がります。オープニングのあのエレベーターの街はここのことだったのか。そして、ダンテは、ヒューズ殺害に関係した軍関係者を全員抹殺しようと考えているようです。さらに、北に行っているはずのエンヴィーはダンテの所へ戻り、ホーエンハイムが死んだことを信じられずにいます。そんなエンヴィーに対し、ダンテはエンヴィーに「不公平ね、あの人の1番大切な子どもだったあなたが」みたいな発言を!つまりなにか?エンヴィーはホーエンハイムの子だと?(相手は誰だ?)一体、何人ナンパ(笑)すれば気がすむのかと(そしてエンヴィーの母親は誰だよ?まさか、……ダンテ?)
ラストとスロウス・ラースは、アルの行方を追います。アルはというと、タッカーのところで錬成陣描きのお手伝い。ああ、マジでアルは何をやっているんだか…。そして、先に代価を払ってもらうと言って、タッカーはニーナ錬成開始。アルの悲痛な悲鳴が響き渡ります。留守番をしていたはずのアルの行方が知れないことに気づいたエド。ラストとラースと戦闘です。「オレには最高の機械鎧技師がいる!」とエド宣言。おおお。と、感動してみたり。
人間になりたい、という願いが強いラストは、ついに裏切ります。エドに対して、「人間にしてくれる?」と言うラストは切ないです。それにしても、ラースはほんと、いやなキャラです…。生まれがあんなだから仕方ないのかもしれませんが、なんか見ていて不愉快…。
「残酷なことを言うのね…。じゃあ、なぜあなたの弟は元に戻らないといけないの?
それと、同じことよ。」
エドの「なぜあんたは人間になりたい」という言葉にたいするラストの言葉です。なんだか切実です。いつだったか、エドは、ナンバー48に対して「あんたらのことを人間と認めなかったら、俺は自分の弟も人間と認めないことになる」みたいなこと(うろ覚えです・・・)を言っていましたけど、なんだかあれを思い出しました。
一方、タッカーは、魂のないニーナの身体を錬成。
「せっかくの賢者の石。これ以上、減らすわけにはいかないわ…。」
ついにアルのもとにホムンクルスの手が伸びます。タッカーの居場所、すなわちアルの居場所を探し当てたのは、ホムンクルス・スロウス。そして、タッカーの「人体錬成」の結果、アルの鎧の身体の一部がなくなってしまいます。完全な物質であるはずの賢者の石。やはり、それは伝説上のものでしかないようです。賢者の石となったアルも、何やら使用制限があるみたいです。
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第47話 「ホムンクルス封印」 2004/09/11放映 「望み通りじゃないか。人間になって、死にたかったんだろう?」
「死にたかった…?
そうか、………わたしは、死にたかったのか……」
「人間になれば、死ぬだけか…?
じゃあ、完全な人間ってなんだ?
……−答えられないのかっ!人間のくせに!!」
第47話。「ホムンクルス封印」。誰が封印されるのやらと見ていたら、結論から言えば、なんとラストですよ。もう、うわ〜〜って叫びたい気分です。よりによってラストが1番最初(グリード除く)!?47話で死亡確定?ちと早過ぎないか??そんなことを思いながら、テレビの前で硬直。ますますラースが嫌な奴に成り下がりました。私の中で。
ついにアルのもとにたどり着いたスロウス。動揺するアルを、昔の母のように慰めます。なんだか寂しい構図です…。物悲しい。さらに、母を求める気持ちが非常に強いラースは(おそらく初めて経験したであろう1度目の「死」を目の当たりにして)、自分を死から遠ざけ、守ってくれる優しい存在を強く強く求めます。そしてその母の像は、イズミ師匠からいつしかスロウスへとすりかわっていきます…。
アルを連れ出すスロウス。タッカーが最後までヤバいです。なんか、このニーナが水槽浮いているシーンは、どうしてもエヴァを連想してしまいましたが。そして、アルを連れ出すスロウスと対峙するエド。アルの身体が欠けていることに気づくエドはいらいらいら。問答無用でスロウスと戦闘開始。エドは、グリードを倒したときにダンテ邸で発動した錬成陣の中にスロウスを誘い込み、母の遺体の一部を使ってスロウスを封印しようとしますが、アルがそれを阻みます。おいおい。と思ってしまいましたが。しかし、冷静に考えてみれば、私はアルではありませんし(当然)、客観的に外の立場から考えられるんですが、アルの立場から考えれば仕方ない行動なのかもしれません……と自分で無理やり納得させている自分がいますが…。スロウス封印に関して対立するエドとアル。ラストの協力で封印を続行しようとするエドですが、やってきたラースに阻まれ、母の遺体の一部をラースは自らの身体に取り込んでしまいます。ラースの援護で封印を免れたスロウスはアルの身体に入って賢者の石をダンテのもとへ運ぼうとします。ラストはラースの相手を買って出ますが、錬金術を使えるラースによって逆に封印されることに…(泣)それにしても、ラストの死に様はあっけなくてがっかり。ただし、死に様は非常に壮絶で美しいと思いました。「わたしは死にたかったのか」というラスト。ホムンクルスのくせに切ないほどに人間らしいラストでした。ラストが人間になりたかったのは死ぬためなのか。そこらへんは微妙なところなんですが、少なくとも何度も殺さなければ「死なない」存在であるホムンクルスだったラスト。錬成陣の発動で命の源である石を吐き出したラストは、ラースの手によって絶命します。人間として死ねた彼女。幸せだったのか、と思えば、それは決して幸せではないでしょう。しかし、わたしは彼女が彼女自身の答えとして「人間となって死にたかった」という答えに帰結したこと自体に対して、非常に救いがあったと思いながら見ていました。ただし、それはラストに対する救い、というよりかは、視聴者として、人間としての自分の立場から「救い」とみたものなのですが…。なんというか、彼女がその答えを持ってきたことに対して、すごく安心してしまったんです。そして同時に、安心した自分が非常に後ろめたく感じました。な、なんででしょう…。
一方、アルとスロウスを追うエドは一度はスロウスの動きを止めます。しかし、スロウスは自分の記憶の中にあるエドとアルの断片を思い出してしまいます。そして、スロウスの誕生までの記憶が回想となって紹介。
「記憶ならあるわ。」
「あなた達を愛してしまいそうになる。
わたしを造った……憎いはずのあなた達を…!」
スロウスの言葉が、エドとアルの心に刺さります。
スロウスとの戦闘で、エドは面白い錬金術を使います。一度目のナトリウムとの反応の爆発はまぁまだよいとして、問題は二度目です。エタノールに再構築って・・・おいおい、と言うしかないですよ。このときのラースの行動(ママと一つになる!)もさっぱり意味不明ですが。あれで何をやろうというのか、ラースよ…。
スロウスの身体をエタノールに再構築するエド。「常温で気化する…」っておいおい。まぁ、細かいことを言うのはやりたくないんですけど、これって確か中学の理科じゃないしょうか?常温で気化するって、普通の22度から30度の「気温」でか?そりゃないだろうよ。(まぁ、少しは気化するかもしれないですけど。)まぁ、いまさら矛盾を指摘したところで何にもなりませんから、これ以上はやめときますが。(そんなことを言い出したら、このアニメに関しては特にキリがないですもんね…)でも、このときに流れたブラーチャはすごく切ないです。エタノール云々がなければ、普通に泣いてたと思います。エドとアル(アルは微妙ですけど)が、己の罪に向き合った瞬間です。
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第48話 「さようなら」 2004/09/18放映 「軍属になってみたけれど、
戦争なんてどこかの誰かが俺らの知らない所で始めて終わる、
自分達には関係ないものだと思っていた。
でも、賢者の石を造らせるために戦争を操る奴がいる。
だから賢者の石を求める人がいる限り、戦争は続く。
そして、その心は誰の中にもある。
ホムンクルスが戦争に火を注ぐ。
だけどそれを造ったのは人体錬成だ。
俺達の心が、知恵が、造ってしまったものに過ぎない。
だとしたら、俺達に関係のない戦争なんて、ない。」
冒頭。北方へ向かったマスタング、アームストロングらですが、北方国境まで行くのではなく、中央司令部へ攻撃をしかけることを決めます。(それにしても、冒頭のアームストロングの筋肉自慢は時間の無駄な気が…。)しかし、実は、マスタング准将はハボック少尉の変装であることがあとで分かります。そして、ハボック少尉にばけたロイは、ホークアイ中尉とともにセントラルに潜伏していたのです。何をやらかすのかと思えば………(絶句)。
「よく、できたわね。……後片付けも、ちゃんとするのよ。」
冒頭。北方へ向かったマスタング、アームストロングらですが、北方国境まで行くのではなく、中央司令部へ攻撃をしかけることを決めます。(それにしても、冒頭のアームストロングの筋肉自慢は時間の無駄な気が…。)
さて、エタノールへと変換されてしまったスロウス。空気中に気化し、ついに消滅。エドの表情が切ない。一応、自分の母と姿かたちが似ていますし、何よりも、母としての記憶があるスロウスです。本当に涙腺がゆるみそうになりました。しかし、エドはというと、全く泣かず…逆に、ラースがわんわん泣き出します。一昔前のエドみたいです。
そこへ、なぜかウィンリィ登場。(前回もそういえば出てたんですね…気づいていない私です。)しかし、エンヴィーが化けたウィンリィです。エドが一発で偽者だと気づくあたりに微妙に萌えを感じました…。アルを連れ去るエンヴィー。しかし、ラースがエンヴィーにたてつきます。賢者の石を使ってスロウスを蘇らせようと考えるラース。非常に対照的なエドとラース。自分の代わりにラースが泣いているみたいだ、というエドが切ない…。そこへイズミ師匠登場。やっぱそれでこそ師匠ですね(ただし役に立つのかは微妙ですが…)
さて、ところ変わって、なぜかいきなりセントラルにトリンガム兄弟が登場。…ていうか、ラッセルよ。お前、アホかと。バカかと。(すみません、口が悪いですね…。)まぁ、おかげでエドがダンテへの手がかりをつかめるんですが。
「魂のない人形…あれが、あの人の罪の形です。
それを抱いて生きていくんです。
それでいい…。」
「大人になったな…」
「大人…?
国家錬金術師になるって決めたとき、とっくに大人になったんだと思っていました。」
今回の話。全体を通して、エドがかなり成長したなぁと感じました。というか、なんだか主人公っぽいんです。ちょっと感動。上の言葉とかもそうですが。見ていてすごく安心します。まぁ、まだ何も解決していないんですが。そして、居場所の分かるホムンクルス、すなわち大総統に狙い定めるエドと師匠。しかし、なんとも間抜けですが…。少しだけ気が抜けました。(いや、かなり緊張しながら見ていたんです…)そして、大総統不在のところを襲撃したエドと師匠は、ラッセル・トリンガムとフレッチャー・トリンガムの二人に出会います。ロス少尉、かなり機動力ありますねぇ。(それにしても、ラッセルが裏鋼のキャラっぽくなっていてかなり笑ってしまいました。)そして、フレッチャー兄弟は父の日記をエドに手渡します。その記述を見て驚くエド。それはダンテのありかを示した日記だったのでお笑いです。なんだ、そのためだけにきたのかよ、この兄弟。
そしてさらに、今度はフランク・アーチャー中佐再登場。かなりすごい格好です。ターミ○ーターですよ。もう何がなんだか…。スカーの賢者の石錬成によって身体の半分以上?を失ったアーチャーは義体…じゃなかった(違うアニメですね 笑)機械鎧で半身を補強して師匠の前に立ちはだかります。
エルリック兄弟が拘束されたという噂をきいたマスタングとホークアイは様子を見に行きますが、そこでエドと鉢合わせ。なぜかエド、車に乗っています。マスタングはこれから大総統邸へ向かう模様。
「全ての悪を飲み込んで、自分の夢を実現する。
…それが、正しいやり方だと思っていた。」
マスタングは、ヒューズの仇討ちに向かうとのこと。マスタングは今までの自分のやり方を否定しちゃっています。
「大人のフリして飲み込んだ悪を吐き出す。
お互い、子どものように自分の思いに忠実に生きようとしているのだ。」
マスタングはこう答えます。しかし、それに対するエドの答えは全く違うものでした。
「軍属になってみたけれど、戦争なんてどこかの誰かが俺らの知らない所で始めて終わる。
自分達には関係ないものだと思っていた。
でも、賢者の石を造らせるために戦争を操る奴がいる。
だから賢者の石を求める人がいる限り、戦争は続く。
そして、その心は誰の中にもある。
ホムンクルスが戦争に火を注ぐ。
だけどそれを造ったのは人体錬成だ。
俺達の心が、知恵が、造ってしまったものに過ぎない。
だとしたら、俺達に関係のない戦争なんて、ない。」
「だけど、それはあまりに大きすぎる。
我々に出来ることはいつだって、目の前にあることだけだ。」
否定するマスタングを、エドはやはり肯定しません。むしろ、方向的には否定?でしょうか。
「賢者の石を消滅させる。
誰も二度とそんなものを思い出さないように。
誰の記憶からも消えるように。」
「賢者の石を生み出したのはやつじゃない。
俺達のこころだ。」
「俺達の夢だけかなえても仕方がない。」
「いつだって、あるさ。
自分よりも、夢よりも、大事なことが。」
驚愕です。エドが、エドが、「大人になってる」。
まるでマスタングと正反対です。というか、エドは死ぬ気ですか?こんなこと言ってますが。
この奇妙な逆転は一体何を意味するんでしょう?今まで大人だと思っていたマスタングが私情に走り、ヒューズの仇討ちをする。(何話かでピナコの言葉を借りて、マスタングは仇討ちには否定的だと考えていたと思っていたんですが…)今まで子どものように「全てを取り戻してみせる」と言っていたエドが、「自分よりも、夢よりも大事なことがある」と言い切っている。エドが言っているのは、賢者の石を求める人間の心が生み出す連鎖の断ち切りと、錬金術師としての(人としての)モラル、罪、そして罰のことでしょう。エドもマスタングも、それまでのやり方の方向転換をしているという点では同じですが、こうも導き出した答えが正反対だと、もうびっくりですよ。しかし、エドとマスタングが、ホークアイ中尉の運転する車の中で交わす台詞の数々は、なぜか聞いていて悲しくなってきました。これは、エドの台詞に失望したわけではありません。けれど、何か違うんです。何かが。
最後のシーン。エドとマスタングが別れの言葉を交わします。……見ていて非常に切なかった。この別れは、おそらく命をかけたやりとりがこれからあることをお互いに知った上での別れの言葉だからです。そして、握手を求めたマスタング。おそらく、エドを子ども扱いしないで同等の立場として接しようとしたのでしょう。それにたいして、握手を交わさないエド。誰が死ぬか分からない状況の中で、こんなシーンはいやな予感しか呼び起こしませんよ…。とにかく、主人公が、ひどく主人公っぽくなってしまったこと。あんなに主人公らしくないとアニメのエドに不満を持っていた私ですが、このエドを見た瞬間に、ものすごく寂しくなってしまった、という奇妙な矛盾にさいなまれてしまった、そんな奇妙な第48話「さようなら」でした。
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第49話 「扉の向こうへ」 2004/09/25放映 「等価交換?まだそんな子どもの理屈を信じているの?」
「等価交換というのは、弱者が自分を慰めるための言い訳なのよ。
代価を支払えば、自分はもっと幸せになれるはずなのに。」
大総統の養子、セリムが唐突に登場。大総統のパパっぷりがなんか悲しい。
そしてエンヴィーに連れ去られたアルは、とうとうダンテの元に連れて行かれます。アルが賢者の石になった経由をついにエンヴィーから聞いてしまいます。(ていうか、アルは知らなかったのか?)「僕は死ぬはずだった…」アルは振り返ります。何度も誰かに助けられ、生き続けてきたことを。「じゃあ、なんで生きてる…?」ほんとですな。よく今まで生きてこれたもんです。
さて、マスタングと別れたエドはとある建物へやってきます。そこにはトリンガム兄弟がエドを待っていました。
「帰って来い…生きて帰って来いよー!!」
ラッセルの叫び。それは、私も同感です。
ラッセルたちの父の日記の通りに地下を降りていくエドの前に、広がるのは誰もいない街並み。エドは父を疑っているみたいです。その頃、ダンテはロゼの身体にいよいよ乗り移ろうとしているみたいです。ロゼはぼんやりと魂が抜けているみたいになっているし…。ラストがいなくなったことで、グラトニーがおかしいです。ラースはラースで、スロウスをよみがえらそうとしていますし。意味が分かりません。そして、極め付けが、ダンテの「エドとアルがロゼを好きになるのも無理はない」発言です。なぜにそうなる???まったくもって意味不明。わたし、このアニメをちゃんと毎週見ているよなぁ?と首をかしげたくなってきます。
一方、師匠はというと、アーチャーと戦闘。しかし、エドが機械鎧をつけているのはアーチャーが言うこととは全然関係ないと思われるんですが、バルドの時といい、このアニメは機械鎧にどうしてこう「力を求める」みたいな意味づけをしちゃうんでしょうか?ほんと、意味不明です。というか、アーチャーはいったいいつ機械鎧のリハビリをしたんでしょうか?そこらへんも全くもって謎です。(まぁいまさらそんな矛盾点あげていたらキリがないんですが…てこれ、どこかで同じようなことをかいたような…;)それにしても師匠はホント弱い…(いや、もう既に最初から期待していなかったんですが…。)そして、ロス少尉たちが師匠のピンチを助けます。ロス少尉がヒューズの遺志(というか考え・姿勢)を受け継いでいるところがすごく切なくて、涙が出そうになってしまいました。
さて、今回まったくもって意味不明な後半へと話は移りますが。その前に、ウィンリィとシェスカが登場。「すべて逆なんじゃないか?」というヒューズの言葉についてシェスカが考えています。それよりも私はデンのカワイさにくらくら眩暈が…。というか、ウィンリィたちは普通に日常生活してるんですね…。
「痛みを伴う教訓…か。
でも、そんなことが出来るのは神様だけよ。」
シェスカの呟きです。そう、神様がいるのかどうかは別として、同じ人間がこれをやるとまた違った意味を持つようになります。
そして、エドはなぜかロゼとダンス。なんでだよっ!!踊っている場合か!?
エドの顔が赤くなるシーンがありましたが、なんだかな〜。でも、なんとなく萌えです。
そしてライラ登場。エドはライラの正体がダンテであることを見破ります。(ああそうか。エドは今まで知らなかったのか。)
それにしても、ダンテはロゼの身体でエドと恋するつもりだったらしく。おいおい。どこまでえげつないんだか。賢者の石の伝説について、さも人間を監督する神のような言動を発するダンテ。マジで怖い。どこの恐怖独裁政治の首謀者かと思ってしまいました。そこへグラトニー乱入。ラストがいないせいでおかしくなってます。ラストを探し回っています。グラトニーはいつもラストと一緒だったですからねぇ…(ちょっとしんみりです。ラスト、早く死にすぎです。)
「等価交換?まだそんな子どもの理屈を信じているの?」
「同じ代価を払っても、同じものが手に入るとは限らないわ。」
等価交換を否定するダンテ。それを否定するエド。等価交換。この物語を通してのテーマだったはずですが、それが今、全否定されようとしております…。そして、「やっぱり親子ね」という言葉とともに、ダンテが錬成陣を発動。気がつけば、エドの目の前にはあの「門」が。そして、突然話の舞台が切り替わり、唐突に空襲。
「お前、私の息子のエドワードか?」
「私の息子」ってことは、息子「じゃない」子もいるってことですか?なんだか意味がよく判りません。というか、あれは何処なんですか?ツェッペリン??そして、なんでいきなりクラシックが流れ出す(苦笑)!?
ワケが分からないことばかりだったので、仕方なくネットで検索。ネットでの噂とかを照らした上でわかったことは、いきなり舞台がこの現実世界(?)のイギリスに移ったとのこと。いきなりパラレル!!!?
……あと2話でまとまるんでしょうか…このアニメ。激しく不安を覚えた49話です。しかも、50話の予告が怖すぎで…。もう、心臓に悪いです、このアニメ。
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第50話 「死」 2004/10/01放映 「私はここで、この身体で死んでいく。
トリシャが愛してくれたこの顔かたちで。
私は等価交換が真実でないと知りほっとしている。
何かを得るために必ず代価が必要だとは限らない。
親が子どもを愛するとき、そこに代価も報酬もありえない。」
「オレはそれでも、
頑張ったらそれだけ何かが得られる。
努力したら誰でも公平に報われる。
代価を払えば、平等に幸せをつかめる。
そんな等価交換は信じたい。」
「現実はそうじゃない。
だから、子どもの理屈だというなら、オレは子どもでいい。
代価を払っても報われないことがあるなんて、思いたくない。」
衝撃の展開。まさか…主人公が死ぬのを見ることになろうとは…。
とにかく、ものすごく気分が悪いでした。しかも、主人公、2回(?)くらい死んでいます。一回目は向こう側(つまり私達が住む?現実世界)で死亡し、そのあと、エンヴィーによって…。(まあ、これは死んだか実はよく判らない…。でも、明らかに最後のシーンで瞳孔が開いているし…。)この放送が終わったあと、すぐに別居してる妹から電話がありましたよ。(苦笑)あまりの衝撃で、正視に堪えなかったようで。そりゃ小学生にはこの展開はキツイ…。来年の映画もあるから死んでないって、と必死に慰めましたが(笑)。
さて、錬金術世界では、アームストロング少佐らが中央の兵を引き寄せるために戦っています。
「その間に、大佐が思いを遂げてくればそれでよし。」
「俺達も相当バカだよな。大佐が何するか薄々判っててよ…。」
大佐が(というか、今は准将ですが)何をしようとしているか、みんなわかっている上での行動だったんですね…。今までマスタングを上へ押し上げるために尽力してた部下たちが…。なんだか、もう本当に切ないです。
その頃、大総統邸では、大総統がセリムに何やら渡しております。これはあれでしょうか。「ホムンクルスの弱点」。そんな大事なものを義理の息子に渡してよいのですか?大総統閣下?
そして、大総統邸には、マスタングがいよいよ侵入。さらに、中央司令部では、ロス少尉たちが蜂起。アーチャーは暴れていますし、ほんとに凄い展開です。そして、現実世界(というか、扉の向こうってこの私達が住む世界だったんですね…なんだか衝撃。)へ連れて行かれたエドはホーエンハイムと会話を交わします。
「その過去から未来に至る全ての命は錬金術の源となる。」
「源…?何の話だ…!?錬金術は…」
「等価交換か?しかし、壊れたラジオを元に戻すために必要なのは同じ質量だけじゃない。
復元するエネルギーが必要なはずだ。
それを無視して、等価交換などありえない。」
「この世界で死んでいく命が門を抜けて、俺達の錬金術のエネルギーになる、と…?」
「我々はここに小さな門を持っている。錬金術師はこの門を開けて
そこからこの世界に繋がり、命を搾取して力にしている。」
これが、錬金術ですか…。かなり驚きです。等価交換を無視する「エネルギー」の存在は考えていましたが、まさか人の命(しかも自分らが住んでいる世界)だとは…。等価交換が世界の真実ではない、と言い切り、それについてほっとしたと語るホーエンハイム。その言葉に、もしかしたら、ホーエンハイム自身も、「等価交換」という言葉に苦しめられた人間の一人なのではないかと思いました。等価交換の否定。一見明快に見えた世界のギブ&テイクの理論。(あ、ちょっと違います?ギブ&テイクって言うのは)少なくとも、人間関係においてギブ&テイクを貫徹すれば、そこにはさもしい人間関係しか築かれませんし、実際そういう人が身近にいます。しかし、エドが言う言葉もわかるのです。努力すれば報われる。だから私は受験勉強をしてきたわけだし、それなりの結果を出してきたわけです。エドは子どもの理屈というなら子どものままでいいとまで言っています。エドは少なくともいままでそういうスタンスで生きてきた。それを否定されることは辛いです。自分が間違っているなんて思いたくない。それが答えだなんて思いたくない。だからここまで諦めずに(一度諦めようとしたときがありましたが)旅をしてきたのですから。なんだかあれですね、夢を信じる子どもと現実を知れと言って夢を見ることを止めた大人、みたいな。子どものうちは自由に夢を見れることを許されていた。けれど大人になり、働いて、生きていくためには理想を捨て時には現実と見合った妥協線を見出さなきゃいけない。エドとホーエンハイムの考えの違いについて聞いていて、ふっとそんなことを考えていました。
錬金術の世界には戻れないというホーエンハイム。二人はお別れします。(しかしチャーチルってもしかしてあのチャーチルなの?)落ちてくるツェッペリンの巻き添えを食らい、エドは建物?の下敷きになります。炎の中で生身の両手を合わせるエド。しかし、錬金術が発動されることはなく、彼の身体は炎に包まれてしまいます。
一方、大総統邸ではいよいよマスタングと大総統が対峙。「空気の流れが読める」ってどこかで聞いたことがある設定ですね。なんだったかな…。あの不思議な大総統の格好は笑えますが。
「神などいないっ!!」
「そうかな?だが、悪魔はいる。…お前達錬金術師だ!!」
そのころ、ダンテはいよいよロゼの身体を乗っ取ろうとしています。賢者の石製造用のホムンクルス・グラトニーにアルを食べさせようとしています。そして、スロウスを蘇らせようとするラースを止めるために再び門を開くダンテ。ラースの右手左足は、門の向こう側へと吸い込まれてしまいます。そして、開いた門から出てきたのは、向こうの世界で死んでしまったエドでした。
それにしても、エンヴィーが次々に死んだ人間に変身するところは微妙でした。次々と変身する顔を殴るところは笑いながら見てしまいました。大佐が1番殴りやすい顔ですか。そーですか。そして、エンヴィーのホントの顔が…とうとう。エンヴィーは、ダンテとホーエンハイムの間に出来た子どもで、水銀中毒で死んだのを生き返らそうとして造られたホムンクルスだということが明かされ、衝撃で動きの止まったエドの胸を、エンヴィーの腕がぐさりと貫きます…。倒れたエドの身体の下から大量の赤い血が溢れ、ロゼの悲鳴とともに、エドの瞳の瞳孔が開く…。呆然として、画面に張り付きながら見てました。
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