-アニメ鋼の錬金術師感想記- ……一週間遅れです。あしからず。

〜40話  第41話  第42話  第43話  第44話  第45話  46話〜
第41話 「聖母」    2004/07/31放映  
「立って、歩け。前へ進め。」


さて、気分が重い41話です。
冒頭、スカーが、おびただしい数の墓標を前に、リオールへの軍事介入についてを理由付けとして賢者の石を圧政に苦しむ民のために造る、とエドに言い放ちします。そして、軍本部では、大佐達がアルの鎧の中からマーテルの遺体を出していました。アームストロング少佐に問い詰めようとするホークアイ中尉たちを、押し殺したような声でアルがとどめます。
「分かってきたことがあります…。
今はまだいえないけど…みんな、これ以上喧嘩しないでください。
喧嘩……しないで、下さい。」
震える声で言うアルの脳裏には、マーテルが残した言葉が響いていました。
「リオールはイシュヴァールにされる…。
あの男は……っ
大総統は……ホムンクルス!」



さて。サブタイトル名「聖母」。
聖母と呼ばれているのはロゼです。スカーはロゼを使い、リオールの民を煽動しているようです。スカーの計画は、リオールに流れ込む軍の人間を材料に賢者の石を錬成すること。
「仕方ないわ。私達人間は、弱いんだもの。」
そう言うのはライラです。この人、マジで何者ですか?怪しすぎます。そのライラに頼んでエドは大佐に手紙を宛てます。そしてスカーの狙いと、街に入らないようにという忠告を伝えます。アルは賢者の石の材料が生きた人間であるということを大佐たちに伝えます。大佐はアルに、リオールへ向かうように言い、ホークアイはアルにエドの銀時計を手渡します。

リオールでは、キンブリーがタッカーの造った喋るキメラとともに暴れています…。スカーはエドに対して、ロゼたちを逃がすように言い、エドはそれに従います。キンブリーの前に立ちはだかるスカー。一方、アーチャー中佐は兵を結集してリオールへ攻め入ろうとしますが、マスタングの報告により大総統はアーチャーに対して出兵の許可を与えません。……と、思ったら、実は、「あの人」の命令により、ホムンクルス・プライドである大総統は出兵を留めただけのようです。どこから降ってわいてきたんだ…「あの人」。ものすごくライラが怪しすぎますが。ていうか、まるわかりですが。…が、いろいろ不明な点が多すぎてなんともいえません。

「私は承服できない。スカーが賢者の石を造るというのなら、協力する。」
「お前はあのスカーに無駄な感情を抱いているのではないか?
我らはあの人によって生かされている。
忘れるな。」


「あの人」の指令を承服できないとするラストを大総統はとどめるように言います。しかし、ラストは聞かず、リオールへとまた向かいます。ラストはホムンクルスの中で一番「人間になることを切望して」いるのかもしれません。いつもは一緒に行動するグラトニーも「あの人」の存在をちらつかされてラストへついていこうとしない。それほどの存在である「あの人」とは。

リオールへ到着したアルは、戦闘中のスカーとキンブリーに遭遇。キンブリーはスカーの左腕を爆弾へ錬成しますが、スカーは自らその腕を引きちぎります。……見ていて眩暈がしてきました。
キンブリーはさらにアルの身体を爆弾へと錬成してしまいます。

そして隠し通路を使ってリオールの人たちと共に脱出するエド達の前に、ホムンクルス・ラースと、スロウスが立ちはだかります。赤ん坊の時の身体を使って錬成された自分に、ホムンクルスの弱点である本当の身体はないと言い切るラース。しかし、なぜかラースは赤ん坊の泣き声に反応し、苦しみます。そして現れたホムンクルス・スロウス。
「エドワード……。どうして、ちゃんと造ってくれなかったの…?」
錯乱するエド。そりゃそうです。彼はまだ自分が何に向き合っているのかということをきちんと理解しきれていないのです。考えようとしないでいました。放心状態のエドの背後にラースが立ちます。ラースはエドの身体を自分のものにすりかえることで人間になろうとしているのです。
しかし、現れたロゼと彼女の赤ん坊のおかげで、エドは我にかえります。
「立って、歩け。前へ進め。」
擦れた声を振り絞って叫ぶロゼ。
その言葉はかつて、エドが彼女に投げた言葉でした。

怒涛の展開を見せてます。ついていくのに精一杯、という感じ。これで2話連続放送というから、ほんと、必死になって見ました…。心臓ばくばく言ってます。


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第42話 「彼の名を知らず」    2004/07/31放映      
「エルリック兄弟は、互いが互いのために生きている。
兄は弟を、弟は兄を愛している。
俺も言いたかった…。兄さんに、愛している と。」



ま、まさか、こんな展開になるとは…。
茫然自失とはこのことを言うのでしょう。しばらく落ちついて物を考えられませんでした…。
それほどの、私にとって想像以上に衝撃的な展開です。
なぜなら、わたしはこの物語では賢者の石は出てこないだろうとタカをくくっていたからです。妙に安心してみていました。だから、裏切られた感じ。いい意味でも悪い意味でも。

今話からオープニングとエンディングが交代。
オープニングは割りと好みです。ただし、絵が、という意味で。歌はさっぱり。何言っているか聞き取れなくて…(汗)。CD、買いますが…微妙ですね。オープニングの戦闘シーン、カッコよすぎて、何度も見返しました。

さて、42話。2話連続放送なので、頭がついていくので精一杯。(と、コレは前話で書きましたね…)

エドを助けようとしたロゼ。どさくさにまぎれて声が戻ってます。
放心状態のエドは、ロゼの声によって我に返り、すんでのところでロゼに襲い掛かろうとしたラースを押さえます。

「前から気になってたんだ…。
あんたは似すぎている。
だけど考えないようにしていた。考えないように…。
あの日、俺達が、…あんたを、造った…。」
「…なら、あんたは、俺達の罪だ…っ!」


ついに本来の姿を現したホムンクルス・スロウス。…色っぽい…っ!!!と思ってしまったのはここだけの話です。すすみませ…。

その頃、アーチャーはキンブリーとの連絡が取れずにいらいらいら……。そこへ、マスタング大佐がタッカーが潜む部屋へ突入。大佐達をタッカーのキメラが襲い掛かります。
「かつて貴方がイシュヴァールで認められたように、
今度は私が、英雄になる。」
アーチャーの言葉です。アーチャーは、大総統の命令を無視し、兵を出します。それを見下ろす大総統はぽつりと呟きます。
「あの人の深き御心など、人間風情には分からぬか……。」
プライドはどうやらずいぶん「あの人」に心酔しているようですね。まぁ、オープニングの絵からして、「あの人」はライラで本決まりなんですけど。

さて。キンブリーに爆弾にされてしまったアル。スカーはアルを助けるためにアルの身体(鎧)を別の物質へ変えることを考えます。スカーはその右腕をアルへと移し、アルを賢者の石へと錬成することを思いつくのです。リオールを包囲したアーチャーはスカーを追って軍をリオールへと侵攻させます。リオールの街の中をラストとともに逃げるスカー。しかし、スカーはラストを守ろうとして銃撃の盾になり倒れてしまいます。
涙を流しながら、兄を憎んでいたこと、そして愛しているといいたかったと言うスカー。それを静かに聴くラスト。
「我らの名は神より頂いている。
しかし、神にそむいた我に、もはや名は無い。」

賢者の石錬成のためにいざ出て行こうとするスカーに、ラストは尋ねます。あなたの本当の名は何かと。どきりとしました。きっとラストは、こんなことを聞くのはスカーが初めてに違いありません。それまでホムンクルスとして、賢者の石を求め、人間を利用してきた。そのラストが、人間に、同じ人間が相手を知るためにそうするように名を聞いたのです。その行動は、人間らしくて、だから痛々しい。それに対してのスカーの答えはありませんでした。

「痛みを与えては、眠ることは出来ぬ。
だが、もうその心配はいらぬ。
もはや眠りを求めることも……」

ついに錬成陣は発動。錬成陣に倒れこむスカーは、最後に何かを呟きます。その言葉の続きは、「愛している」なのでしょうか。
赤い赤い光に街全体が包まれ、兵士が次々に光に飲まれます。その禍々しいまでに強烈な赤い錬成反応を、ラスト、大総統、ライラが見つめます。そして、「馬鹿野郎!」という絶叫を上げる以外になす術もなくエドもその赤い光を見つめていることしか出来なかったのです。

そして、スカーは錬成を成功させました。
大総統曰く、「決して人の手に渡るはずのない、だから存在しないはずの賢者の石」は、エド達兄弟の手に渡ったのです。わたってしまったのです。
「行きなさい。すぐにあなたたちを追って、全てが動き出すわ。」
予言するように二人の前に立つラスト。彼女が名前を聞いたスカーは、本当の名を名乗ることもなく消滅してしまいました…。

とにかく衝撃的な展開、です。ラストの言うように、全てが動き出すでしょう。賢者の石をめぐって。賢者の石を求めるものたちはそれこそたくさんいるはずなのです。伝説だったはずの代物が、現物として、二人の兄弟の下に落ちてしまいました。

エンディングも変わりました。絵は相変わらず素敵すぎです。しかし…歌のほうは微妙。なんか雰囲気が合わないような。歌自体はとても素敵なんですけれど。


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第43話 「野良犬は逃げ出した」     2004/08/07放映   
「軍の狗は、もうやめだ!」
「聞き分けのない無力な子どもに戻るというわけか。」
「なんとでも言えっ!」



「野良犬」ってなんだ?と思っていたら、エドのことだったんですね。

冒頭、シェスカを連れてリゼンブールへ着いたウィンリィは、「俺の家、見当たらないんだけど…」と尋ねてくる男に出会います。その男こそ、エドとアルの父、光のホーエンハイムだったのです。

「賢者の石…。
それを手にした者は等価交換の原則から解放され
何かを得るために代価を必要とすることもない。
僕らはそれを求め、手に入れた………。」


アルの等価交換の説明、この回から変わりました。なんだかクライマックスって感じです。どきどきしました。

「あのホムンクルスたちはお前をきっと追ってくる。
あいつらに勝つために、手に入れなきゃならないものがある。」


さて43話。
リオールを脱出するエドとアル。…走ってます。砂漠を。
アルが大総統秘書について言及するのをエドは遮ります。自分に近づくなとアルに言うエド。錬金術師がうかつに触れれば、賢者の石になってしまったアルはどうなるか分からない、というのです。そして、エドはリゼンブールへと向かいます。手に入れなければならないもの…いやな予感がしてきました。

リオールを調査する大佐達。列車で運ばれるアーチャー。すごい格好です。は、半分無い!?あれで生きていけるのか…。
そして、大総統の命により、マスタング大佐はエルリック兄弟探索の任につきます。手に余れば殺せという大総統。こわい…です。
そして、リオールをあとにする大総統らホムンクルスの前に、囚われ列車の壁に磔にされたラストがいました。

一方、リゼンブールでは、エドたちの父がトリシャの墓の前で夜明かししてます。いまいちよくわからんおっさんです。夜明けに気づいていないところとか、ウィンリィとウィンリィのお母さんを何度も間違えたりとか。でもまぁ、いまさら何が出てきてももう驚かないような気がします。先週の衝撃からいまだに立ち直れて居ない私です…。
「簡単に言わないでください。
悲しいんじゃありません。
わたしは…両親を殺した人をしっています。
その人がけして悪い人じゃないことも。
だから、わたしもどうすることもできなくて …」
「だから、だから…かなしいって。」


ウィンリィの言葉です。大佐が自分の両親を殺したという事実はまだ彼女の中でどう向き合っていいか分からない状態です。それに対して悲しいねと言うホーエンハイム。…その様子をそっとばっちゃんが見守っているところがまた切ない…。
そこへ、ロス少尉とブロッシュ軍曹がやってきます。エドたちがおたずねもの(笑)になったことを知るウィンリィは、ホーエンハイムの言葉からエド達がやってくるかもしれない場所を察知しそこへ向かいます。100年以上も前のことを語るホーエンハイム…。何者ですか?マジで。

リゼンブールへ向かうエド達のまえに、マスタング大佐・アームストロング少佐たちが立ちはだかります。そこへウィンリィとシェスカが合流(というか、拘束。)。
「エド達のこと誘ったの、あなたじゃない!それなのに…っ」
「無駄です。この人は軍内部の地位しか興味がないんです。」
「答えて!わたしのお父さんとお母さんの時も同じだったの…っ!」


ウィンリィが責めるようにまくしたてますが、大佐は答えないまま。

「そのときから私は誓った。
たとえ命令であろうと理不尽なことに従うべきではない。
従わなくていい立場になろう、と。
お前達を追うのは命令だからじゃない。
お前達に腹を立てているからだ。
なぜ! 私の保護を求めず、勝手に逃亡した!!」


それにしても逃げ惑うエド達。玉乗りしてますよ。ここは笑うところですよね?へんなところでへんなコメディーいれるから…(以下略)。追い詰められるエドとアル。ウィンリィの悲痛な悲鳴が響きます。殺さないで、と。ウィンリィにとって恐怖だったのでしょう。自分の両親を殺した人間が目の前にいて、今度は幼馴染の前に居る。軍の狗はやめるというエドに対して、大佐は一喝します。これを聞いて、本当に安心しましたが。よかった、大佐は少なくともエドの味方だった、と。なんだか、安心してアニメ見れてないです…。誰が裏切るか、誰が死ぬか。恐々としながら見てます。



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第44話 「光のホーエンハイム」    2004/08/21放映   
「スロウス、あなたは人間になりたくないの」
「…・…なりたいわ。だって、人間になれと生まれてきたのに、
それ以外の目的なんて…。」



とうとう、ライラの正体が明かされました。
囚われのラストは、スロウスに人間になりたいという気持ちがないのかと尋ねます。スロウスの答えが、切々として聞いていてとても辛くなりました。人間になれと生まれてきたのに、それ以外の目的があるはずがない。とても胸をしめつけられます。そして、そのホムンクルスたちの前に現れたのは、ロゼをともなうライラ。ホムンクルスたちが膝を折りこうべを垂れた先には、ライラが居ました。

一方、リゼンブールではエドたちが大総統と秘書官がホムンクルスであることを大佐たちに伝えます。大佐はアームストロング少佐に命じて一度隊をひかせ、エドたちとともに村へと向かいます。エドの銀時計がなくなったことを必死に釈明するアルですが、大佐が赤い石の存在を知っていたということを察知したエドは大佐につかみかかります。あー、なんだか見ていていちいちはらはらします。大佐につかみかかるエドを止めようとしたアルはその弾みで川に落下。さすがに見ていてぎょっとしてしまいましたが、アルが賢者の石になったことからアルは無事。ちょっと一安心。大佐たちはアルが賢者の石になったことをまだ知りません。(それにしても、「兄さん、僕泳げてる!」なんてアルは言ってますが、
溺れてますがな!と一人ツッこんでしまいました…。)

その頃、ロックベル家では、何をとちくるったのか、ホーエンハイムがロス少尉をナンパ?中。
「ぬぁああ〜にっナンパしとんじゃーいっ!!!」
と壮絶な表情でエドが父にツッコミいれましたが、ナイスです。まさにそんな気分。
帰ってきた父をロックベル家に入れないエド。あああ、まだ意地はってます。ちょっと成長したと思ってたのに。エドたちの会話の中に「ダンテ」という名を聞いたホーエンハイムの表情が強烈に歪みます。あああ。やな予感。そして、ウィンリィがなぜだか嫉妬してます。あ〜あ、って感じ。ごちそうさまです。

ホムンクルスについてホーエンハイムに問う大佐。そしてアル。ホーエンハイムは、ホムンクルスが錬金術を使えない理由は門の向こうからやってきたからだとさらりと言います。なんでそんなに物知りなんだ…。しかしエドはあくまで父を拒絶。ホーエンハイムは「錬金術なんてものは……」と何かを言いかけますが、いまさら父親面するなとエドは聞く耳を持ちません。そんなエドに対して父の肩をもつアル。そしてホーエンハイムはアルに対してこういいます。
「お前自身の身体は等価交換で失われた。
お前は身体を代価にして、何かを得たはずだ。
それを全て返せば、元に戻ってくるさ。」


……
簡単にいってくれますねぇ…。
この言葉を聴いたときに、またしても不穏な予感が胸をよぎります。いけません。どうも被害妄想が…(汗)。何があってももう驚くまいと思っていたんですが。
そして翌日、姿を消したホーエンハイム。探しに行こうとするアルを大佐が止めます。何かを決めたようにシェスカに軽く笑って見せたロイと、敬礼で出て行くホークアイ中尉。敬礼に対してエドは手を振って返します。それぞれが決めた道に向かって動こうとしている、このシーンでそんな風に感じました。

ばっちゃんの提案?で地下の物置に隠れるエドとアルとシェスカ。シェスカの言うイシュヴァール開戦をあっさり否定するエドとアル。戦争でイシュヴァール人を追い詰めれば誰かが大いなる術で賢者の石を造ると考えたのでは…という答えにたどり着くエドとアルですが、シェスカの次の言葉で一気に冷静さを失います。
「……そうか…ヒューズさんはそこまで気づいて、…殺されたんですね。」
…エド達はまだヒューズの死を知らなかったのか!!
今頃気づきました。
冷静さを失い、怒りに任せて外へ飛び出そうとするエドに、ピナコばっちゃんが一喝します。
「マスタングさんは、お前達に復讐なんて考えてほしくない。
そんなことよりもっと大事なことがあるっていいたかったんじゃないのかね?」
「でも…!」
「わたし、ずっと誤解してました。
大佐はヒューズ准将のことなんてどうでもいいんだって。
でも、もしかしたら…。」
「えらくなる。…この国で一番。それが、約束だから。」
「そのためには復讐なんて個人的な感情よりも出世の道を探る。…大佐は、大人だね。」
「そんなのアリかよ!大事な人が殺されてその犯人も分かってる。
だけどその仇より大事なことがある…?それが大人のやり方ってことかよ。」
「お前だって目的のために軍の狗になったじゃないか。」
ピナコの言葉に顔を歪ませるエド。やっぱり、嫌いだ、と大佐のことを言い捨てます。「大人のやり方」。それは自分がとってきたはずの道。しかし、エドはそれを受け入れられない。国家錬金術師になって大人の仲間入りをしたはずなのに、その大人のやり方を拒否する。なんだか色々矛盾していますが、それ以前に、こんな台詞をほかでもないピナコに吐かせるとは…。ピナコは自分の息子夫婦をマスタングに殺されているのですから。

その頃、姿を消したホーエンハイムはなぜかライラのところへ。ライラのことをひと目でダンテと見破るホーエンハイム。「やっぱり私のことが忘れられなかった?」というダンテ。ええええ。どういうことですかっ?錬成陣なしで錬成するホーエンハイム。そして、同じく錬成陣なしの錬成をするライラ。何ものですか、この人たち。
「限界が近い…。確かに。
だが、それは、君も同じだ!」

切り裂かれた服の下から、ダンテの腐敗した体が…。つまりあれですか?この人たちは、魂だけで身体を次々乗り換えているということですか?(アルとホーエンハイムの会話参照)

そして、エドは、夕暮れに赤く染まるリゼンブールの墓場で、アルもともなわず一人で母の墓の前にいました。母に謝りながら手にしたものは…母の遺体の一部なのでしょう。禁忌を犯して蘇らせようとまでするほど愛していた母親の墓を掘り返す。これ以上の罰が、はたしてあるのでしょうか?




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第45話 「心を劣化させるもの」    2004/08/28放映     
「……人が、賢者の石を求めるのはどういうときだね?」
「富、栄光、支配、永遠の命…」
「……-絶望。」
「自分の周りの者の命が失われ、
人は絶望に捕らわれたとき、唯一の希望として賢者の石を求める。
戦争という異常な状況の中であれば、
他人の命を犠牲にしてはならないというモラルも消し飛ぶだろう。」



45話です。「心を劣化させるもの」とは、何か……?

ホーエンハイムとライラ、じゃなかったダンテの会話から始まります。その会話から、ダンテとホーエンハイムは400年前に賢者の石錬成に成功したけれども、ホーエンハイムはそのせいで死に掛け、ダンテは賢者の石を使ってホーエンハイムの魂だけを別の身体へと移した、ということがわかりました。ホムンクルスを使って賢者の石を造らせようとしたのは、他でもなくダンテが、その魂の定着のために必要だったから。魂が肉体を移動するたびに魂はすりへり、魂が肉体を維持できなくなるというのです。(うーん…どこかで聞いたネタ。なんだったか?)
そして、ホーエンハイムはついに、自分の妻に似たホムンクルスと対面してしまいました。いやぁ、ホーエンハイムさん…、ほんと、女たらしというかなんというか…(半ば呆れ)。トリシャとの想い出とかはすごく情緒的ですが。油断したホーエンハイムはスロウスに捕らわれてしまいます。そして、ダンテの手には錬成陣が描かれたロゼの赤ん坊が。ダンテ曰く、あの門は誰の中にでもあり、赤ん坊は魂と精神と肉体の結びつきが弱いため、門を開きやすい、と。そして、錬成陣が発動し、ホーエンハイムは、あのエドが言う真理の扉へ来ていました。

「トリィ……エドとアルはきっと大丈夫…。君の、子どもだ…。」
そういいながら、ホーエンハイムは門へと引き込まれていきます。えええ。これでホーエンハイムは終わりですか???彼は死んだんですか?
そして、ダンテはというと、今度はロゼに乗り移るらしいです。…わたしの服に合わないじゃない、って…怖いです。


一方、リゼンブールではウィンリィとシェスカがお菓子作り。やっぱどう考えてもウィンリィのほうがシェスカよりも年上に見えてしまう…。ほんとのところどうなんですか?(いや、シェスカが15、6歳以下なんてありえませんが。)そこへかかってくる一本の電話。…いくらなんでも「ショウちゃん」と名乗ることはないでしょう、タッカーさんよ。(あ、ウィンリィが勝手にちゃん付けしたのか?)帰宅したエドのポケットには、おそらく母の遺骸が入っていると思われます。妙な電話の存在をアルは慌ててごまかしますが…。それにしても、ウィンリィのあの旨そうなケーキを食べられるなんて、うらやましすぎですよ、エド。
そして、変装してまたロックベル家を出発しようとするエドとアル。髪の色が変わっちゃってます。こんなに感じが変わるものなんですねぇ。少しどきどき。というより、今話はエドウィン属性が(脳内で)飛び交っていて萌えてしまいました。み三つ編みネタとか…っ!(落ち着け)「また、行っちゃうの…?」とウィンリィが聞いたときに視線を逸らしたエドとか!(だから落ち着けと。)顔赤い二人とか!(…)
復讐はしない。しかしやらなければいけないことがある。そう告げてエド達は旅立ちます。それにしても、エドの変装、萌え〜です。黒?髪にサングラス?に長身(笑)+帽子です。もう誰ですか?って感じです。

その頃、セントラルへ戻ったマスタング大佐は、なぜか
直球勝負。おいおい。将軍達が並ぶ前で、マスタング大佐は直接ブラッドレイ大総統に秘書官ジュリエット・ダグラスへの疑いを報告。こここ怖いです、大総統がシャッとカーテンを開けたときのあの表情とか。なんで直接つっこみますかね、大佐は。ちょっと分かりませんが。部屋から出てきた大佐を迎えるホークアイ中尉。大佐の額に滴る汗をハンカチで拭います。大佐がいかに緊張し命がけで勝負に出たかがうかがえるシーンです。
そして、大佐は北方への出陣を命じられます。
「シェスカから託された資料を何度読み返してもどうしても解けなかった。
これが、最後のパーツだったんだ。
自ら尻尾を出したな、ホムンクルス……!」


そして、エドは師匠のもとへと訪ねていました。どうしても必要なもの。それは、師匠の死んだ子どもの身体の一部。それを聞いた師匠は呟きます。戦うんだな、と。
さらに、エドに留守番するよう言われていたはずのアルは、タッカーを訪ねていました。泣きながらアルを迎えるタッカーの腕にはニーナの形をしたモノが。それを見つめながら、アルは言います。
「賢者の石の使い方、教えてください……。」

心を劣化させるもの。それは何か。明確に語られたわけではなかったけれども、それは魂が劣化しているダンテをみていればなんとなく分かるような気がします。ダンテは賢者の石がほしくて、ホムンクルスを操り、戦争を操る。そして絶望の淵で人は賢者の石を求めようとする。繰り返される悪循環の中で、ダンテの魂はすりへる。それに助長されるように、ダンテは賢者の石を求める。だとしたら、心を劣化させるものは、人間の欲望以外にありません。そして、心が劣化した者は、どうなるのか。まるで人間を超越した世界・視点から、人間を見下すダンテ。(魂の移動だけで生きながらえる人間を人間と呼ぶべきかはわかりませんが)ダンテの行為は、人間のもののはずなのに、人間のものとは思えない。かつて歴史の過程において、何を勘違いしたのかある人種を無差別に殺し始めたある人物を彷彿とさせます。人間を糧にする賢者の石で生きながらえる存在。ダンテ。(もしかしたらホーエンハイムもですが。)今回のタイトルはそんなところから出てきたのかもしれないな、という感想を持ちました。
……それにしても。つまりはあれですか?なんだか嫌な予感がするんですが、二人の過去の話を見ている限り、元凶はホーエンハイムにあるような気がするんですが……。全ての始まりは二人の男女の痴話げんか、なんてオチにならないことを切に祈ります…。


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