-アニメ鋼の錬金術師感想記- ……一週間遅れです。あしからず。

〜35話  第36話  第37話  第38話  第39話  第40話  41話〜
第36話 「我が内なる科人」    2004/06/27放映 (長文です。読みづらくて申し訳ありません。) DVD追記有
-「恥じることはない。
 肌の色や目の色が違うものを自分達と同じく思えないことはお互いさまだ。」

-「軍人だからって差別するのか。お前だって軍属だろう。」
-「自分の感情だって間違っていることはある。」
-「ロックベルって医者、知ってますか?」
-「俺はあいつを一番てっぺんまで押し上げる。……あの人の口癖。」


さて36話です。
タイトル、その名も「我が内なる科人」。凄いタイトルだなぁと思い、あまり期待はせずに見ました。(こういうときに限って大コケされそうで…)結論から言えば、賛否両論分かれるかもなぁという感じ。個人的には結構楽しめました。

前回の一風変わった話からまた一転。今度は人間の中にあるいろいろな形の差別について焦点をあてています、と私は捉えましたが、どうでしょう?

冒頭、エドとアルは連行されるイシュヴァール人たちの乗った列車を足止め?し、かつてイシュヴァールで造られたという賢者の石の情報について聞き出そうとします。そこでアルが再会するのは、何話か前に出会ったイシュヴァールの少年、リックとレオ。スカーからの情報であることを明かすと、あんなに親しげだった2人の表情がやたらに険しい。
イシュヴァール人である「師父」から、賢者の石についてよく知っているかもしれないと言われ、エド・アル・ウィンリィはキシュアに住む老人を訪ねます。(ちなみに、キシュアという街は先々週くらいに大佐たちがスカーを捕らえるために出動した街で、ヨキがラストたちに殺された場所でもあります。)それにしても、ここでもウィンリィの機械オタぶりが存分に発揮されましたね。なにやら改造しております。ウィンリィに対して、そろそろ帰るように言うエド。「何よう〜チビから棒に。」「藪から棒にだろっ!」にはかなり爆笑させて頂きました。ごちそうさまです。(意味不明)
しかし、ちょいとウケたのは、4話でマジハールを殺したことについてフォローが入った、という点ですかね。なんだかにんまりしてしまいました。(意地悪いですね…すみません。)アルが不可抗力だよ、と言ってますが…それってそうか?

キシュアの老人の家へ行くことを拒む少年二人。二人をウィンリィに預けテントへ入るエドとアルを、ホークアイ中尉が拘束。

「汚れているんだ。」
「イシュヴァラの教えに背いた人だ。顔に、刺青があった。
追放者の印なんだ。」

リックとレオは老人の家へ行くことを拒否した理由はこれです。スカーも追放者であるということを知った二人は、だから突然こんな変化を見せたのか。二人は、老人が「追放者」であることをウィンリィに教えます。ウィンリィはそれには深く触れず、二人を慰めるように、二人の母について尋ねます。嬉しそうに母について語り始めるリックですが、その話の過程で、ウィンリィは、イシュヴァールで働いていた自分の両親が、国家錬金術師に殺されたということをついに知ってしまいます。

一方、軍の本部らしきところへ連れて行かれたエドとアルは、キシュアでの大佐の行動をホークアイ中尉から聞きます。大佐の行為を奇麗事と片付けるエドに対して、ブレダ少尉が言います。
「軍人だからって差別するのか。お前だって軍属だろう。」

キシュアの老人に面会するエドとアル。老人からかつてイシュヴァールに「大いなる術」と呼ばれた錬金術が存在しており、それが神の教えに背くということから使用を禁止され、「大いなる術」を学んだ自分はそれゆえ追放者なのだということを教えられます。そして、老人の話から、老人がスカーの兄に賢者の石の製造法を教え、そして今度はスカーが賢者の石を錬成しようとしていることを知ります。
「恥じることはない。
肌の色や目の色が違うものを自分達と同じく思えないことはお互いさまだ。」

イシュヴァールにかつて錬金術があったということに驚くエドに対して、老人はそういいました。

スカーを追うことにしたエドとアル。賢者の石を製造するかもしれないスカーを止めるつもりらしいです。
スカーを殺すのか、というレオの問いに対して、エドはこう答えます。

「俺達は、あいつを止めたい…
同じ錬金術師だから…いや、…人間だから…
誰も殺さないし、誰にも殺させたくない。」
「嘘だ!! イシュヴァール人が嫌いなくせに!」
「自分の感情だって間違っていることはある。」

エドが、「自分の感情だって間違っていることはある。」と答えたのは非常に大きな進歩に思えます。

そして、ウィンリィはエドとアルに、セントラルへ向かうことを告げ、お別れです。セントラルへ向かう列車の中で、ウィンリィは確信したように、ホークアイに対して尋ねます。

「リザさんは、人を撃ったことがありますか?」
「……あるわよ。たくさん、ね。」
「ロックベルって医者、知ってますか?」
「ええ。…あなたが何を知っているか知らないけれど、
軍人は時として人の命を奪わなければならないことがある。不条理な命令に従ってね。
だからわたし、軍人はあまり好きじゃないかもしれない。」
「……でも、あなたは軍にいる。」
「…守るべき人がいるから。それだけは誰にも強制されたわけでもない。私が決めたこと。
私は私の意志で引き金を引くの。守るべき人のために。その人が目的を果たす日まで、迷うことなくなく引き金をひくわ。」
「その人に、守るべき価値がなかったら…?」
「それを決めるのも、私。」

そして、ウィンリィはセントラルのヒューズ宅で、とうとうヒューズ中佐の死を知ります。マスタングに対して自分の両親を殺したという確信を抱いたウィンリィ。しかし、その視線の先には笑顔のヒューズの隣に立つマスタングの写真が。自分を優しく励ましてくれたヒューズと、そしてロイの関係を知ったウィンリィの心は複雑に揺れたのでしょう。彼女の目からとめどなく涙が溢れます。

今回の話は、人の心の中にある差別の感情だと思います。戦争も、つきつめれば誰かと誰かの差別・区別から生まれます。宗教的対立だってそうです。
キシュアの街に着いてすぐに交わされたエドとアルの会話の中に、キシュアの街をみたアルが「まるで、戦争みたいだね。」というのに対して「見たことなんかないだろうが、戦争なんか。」とエドが答える、というものがありました。このやり取りってどこかで聞いたことがあるなぁ、と思ったら、昔、同じような会話を母としたことを思い出したのです。何かのルポ番組を見ていたときの母と私の会話です。私は戦争を知らないし、母も知りません。母が「戦争みたいだ」と何気なく漏らした言葉に、私は「見たことがないくせに?」と答えたことがあるのです。そう、エドとアルの会話は、まるでどこかその世界とは遠く離れたいわばテレビから見える光景に対する感想を言っているみたいにわたしの目には映りました。この会話、ものすごくひっかかったのは、私自身、この台詞を母に対して言ったことを後にひどく恥じた経験があったからです。それに関して詳述するのはまたいつかにするとして、このシーンの後、さらにエドはブレダ少尉から「お前も軍属だろう」という言葉を投げつけられます。そう、エドは軍属の国家錬金術師でありながら、軍の問題を、戦争の現実を、現実のものとしては捉えていないのです。この台詞を聞いた瞬間に、私は自分が何に恥じたのかがようやく明快な言葉を持ってわかった気がしたのです。そうすれば、今回のこのもの凄く仰々しい?サブタイトルにも納得するわけです。

差別はなぜ生まれるのか、なんて根源的?なことは言いません。差別は現実にあるのです。これは変えようのない事実です。道徳の時間などにでも学習しました。そして、それがいけないことなのであると私たちはまるで身体の反射反応のように刷り込まされます。(もちろん、差別がいけないことなのであるということを否定する気はさらさらありません。)しかし、自分は本質的な問題として、それに向き合ったことはあるのか?正直、yesと答える自信がありません。差別は悪いことであると道徳の時間に勉強した私は、それで「分かった」気になっていたんです。だから、目の見えない人が同じ横断歩道の前で並んで信号を待っているときに、そわそわと落ち着かない。そんな自分はいけないと思い、じろじろとその盲目の人にぶしつけな視線を送る周囲の人間を勝手に恥じ、勝手に怒りを感じ、そんな自分に後ろめたい偽善を感じ、また恥じるのです。その繰り返し。

ですから、今回、エドが、「自分の感情だって間違っていることはある。」と言ったことに対して非常に羨ましいと思ったのです。もちろん、エドのその言葉は、多様な考えがある人間世界においては当然導き出されるであろう言葉だと思いますし、真実エドがその言葉を発した意図を私は理解したわけではなく、私の理解は見当違いなのかもしれないし、エド自身、その言葉が持つ意味を真の意味で理解していないのかもしれません。そして、彼は自分が軍属でありながら戦争の存在、軍の問題を希薄に感じていることに対し自身で疑問に思っているのかどうかは分かりません。

しかし、だとしても、この言葉を発することが出来たエドは、少なくとも、16話「失われたもの」で老人の言葉を全否定していた頃よりかは大きくなっていると思うのです。(もちろんこの時点でエドは等価交換を信じていますし、信じているからこそ自分の行動(=賢者の石を求める)が矛盾に満ちているという事実に向き合おうとしていません。)ここで「大きくなる」と表現したのは、「大人になる」ことと同義ではないということを強調しておきます。大人でさえ、それにきちんと向き合えている人は少ないと思いますし、そうでなかったらとっくに差別なんて言葉は存在していないと思うからです。世界は主観と客観という大きく分けて二つの見方があります。そして人間の視野はよくあるゲームのように主観と客観の両方を見れるわけではない。そこから生まれる差、ギャップ、差別、…言葉はなんでも構いません。その差を天秤に乗せて見極めようとしたとき、どうしても超えられない壁(主観と客観が全く違う見え方をするという事実)はやはり存在するのです。戦争や対立などのもととなるのはこうした差、区別から生まれ、それは結局のところ主観と客観のすれ違いから生まれるのだとしたら、軍属でありながら軍属であることを明確に自覚できておらず、イシュヴァール人の赤い目に怖いものを感じるエドは、その壁に対してどう向き合い、どう答えをひねり出すのか。それを提示した回なのではないかと、そんな感想を持ちました。

う〜ん……うまくまとまっていません。この問題はわたしの中でももちろん解決どころか手探り状態で、そんな段階でこんな感想をつけるのはどうかという迷いも出ています。もう少し考えてみます…。そして、この感想でさえも、私の狭い主観の塊なのであるという事実からやはり抜け出すことは出来ないのだと、感想を書きながら悩む自分がいることを私自身気づくわけです…。

長すぎる感想、すみません。そのくせまとまってないです…。


追記。
DVD裏鋼。そんな視聴者が思っていても口に出せないようなことを…
ていうか、裏鋼のウィンリィはどこまでも攻めな(は?)感じがしてなんか…たまらんですv


△この頁の一番上へ。
△第35話感想 へ。
▽第37話感想 へ。

雑記感想一覧へ戻る。


第37話 「焔の錬金術師」「戦う少尉さん」「第十三倉庫の怪」 2004/07/04放映 DVD10巻追記有 
「生身の人間を相手にするほうが、ずっと恐ろしい…」


今回の話はかなり楽しみでした。それなのに、妹が録画ミスしたと聞いたときはかなり同情…。

★「焔の錬金術師」

「ご愁傷さまです。諦めてください。」(by ケイン・フュリー曹長)

上官監査を命じられたハボックは、ブレダ、ファルマン、フュリーとともに、ロイ・マスタング大佐の素行調査を始めます。まるで交換日記のように飛び交う彼らの報告、野次は爆笑ものです。調査の中、自分の彼女がマスタング大佐とお芝居に行ったことを知ったハボックがかなり哀れ……。それにしても、突然窓の掃除を始めたあのしまりのない大佐の顔に萌えてしまいますた…。というか、冒頭数分だけですよ、これ。短いなぁ…(残念)。

「人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。
ここ中央司令部には平和を得るためにはその犠牲となることも厭わなぬ勇敢な兵士たちがいた。
これは焔の錬金術師ロイ・マスタングとその部下の愛と勇気の物語である。」

さらに大爆笑なのが、普段はアルがしゃべる「等価交換うんたら」の部分。そこが、軍部の集合写真になっており、凛々しくしゃべっているのはホークアイ中尉ですよ!んで、最後に犬の落書がポンとでてフェードアウト。いや〜すみませんが、NHKの某プロジェクト番組をほんのりと意識しつつ、テレビの前で終始爆笑してました……(恥)。

☆「戦う少尉さん」

「失敗に一万センズ。」(by ブレダ少尉)
「振られるに一万センズ。」(by ファルマン准尉)
「じゃあ、大穴で破談になるに三万センズ。」(by フュリー曹長)
「……それじゃあ、賭けになってないでしょう。」(by ホークアイ中尉)
「…そのとーりっ!!!」(by ブレダ・ファルマン・フュリー)

彼女に振られて焦燥感漂うハボック少尉。「また失恋でもしたんだろう」とズバリ的中させる大佐。ブレダ少尉の心のツッコミが楽しいです。大佐は部下に、ハボックへ女を紹介するように命じます(なぜそうなる 笑)。一方、シェスカはアーチャー中佐に呼び出され、ヒューズが調べていた資料集めを命じられます。そして、大佐に任務(笑)を命じられたファルマン准尉は、アームストロング少佐からその妹の話を聞きます。その話を受けてハボック少尉はアームストロング少佐の豪邸へ。いや〜漫画でオチは分かっていましたが、これがもう笑いが止まりません。ビックリしたのは、少佐の母がエドの声の人で、少佐の妹がアルの声の人だということ。それにしても、ハボック少尉は想像力豊かです(笑)。そして、キャスリンちゃんが凄くかわいい…v何度も繰り返し見てしまいました。そして原作のオチどおり、キャスリンは「兄さまみたいな方が好き」と一刀両断。またもや受難のハボック…。

★「第十三倉庫の怪」

「第十三倉庫を見たんだとさ。…くだらん。」(by ロイ・マスタング大佐)

小説の内容を全く覚えていなかったので、純粋に笑えました…。まぁよくあるオチです。見所はそれにぱっくり食いつく大佐たちなんですが。
アームストロング少佐から託された手紙を読む大佐。「網を張れるか?」と一言。どうやら少佐は最初からハボックにこの手紙を託すことが目的だったようです。…ますますご愁傷様です、ハボック少尉…(なんだか魂が抜けてますよ、少尉)。
中央司令部では幽霊が出るという噂があるらしく。その現場を目撃したファルマンとフュリーは、大佐に調査(きもだめし大会?)をお願いします。くだらん、と一蹴する大佐ですが、部下にのせられて調査することに…。(それにしても、ブレダ・ファルマン・フュリーって…いいトリオですね…。)
ホークアイ中尉の運転する車に乗って、通りがけにヒューズの家を訪ねる大佐。二人が隣同士の席に座っているのがなんか萌えます。エリシアちゃん、マジでかわいいです。ロイ相手に恥ずかしがるエリシア…てそれはマセすぎではないか!?ヒューズが天国から親馬鹿ぶりを炸裂させそうですよ。ヒューズ宅へ入ろうとするロイですが、そこにウィンリィがいることに気づいて止めます。(ていうか、この話って先週と続いてるんですね…あまりにも明るいのでパラレルっぽく考えてました…)ロイはウィンリィが自分のやったことを知ったとは知りません。それでも少なからず負い目は感じているはずです。だかこそ、二階から投げられたウィンリィの刺すような視線が痛い。
アーチャー中佐はシェスカが集めた資料をもとに大総統に話をもちかけます。こわいですねぇ、このアーチャーって人。それに対し、大総統はリオールでおきている内乱鎮圧の指揮を任せます。…て、部下ときもだめししてる場合じゃないですよ、大佐!事件の真相がホークアイ中尉の犬、ブラックハヤテ号の仕業だと分かったときも大爆笑。(いやオチは見えてましたが。)しかし、この回は終始ハボックの魂が抜けていて笑っちゃいました。ブラックハヤテ号…なんて罪な子。大佐たちまでもだまくらかし、中尉の寝起きに足まで舐めるなんて…!!(あの寝起きの声は犯罪ですよ。て…すみませ…っ)
網をはる、というのはアーチャー中佐のことだったようです。東方への出陣を大総統に願うロイ。ここで一気にシリアスモードに。流れる音楽がカッコいいです。アームストロング少佐とマスタング大佐が目配せしています。何やら企んでいる感じ…。

それにしても、とにかく笑い転げた37話でした。


DVD追記。
裏鋼。や、や、や、ヤバイです…。リザさん最強!!ていうか、なんかサ○エさんみたいで笑った。


△この頁の一番上へ。
△第36話感想 へ。
▽第38話感想 へ。

雑記感想一覧へ戻る。




第38話 「川の流れに」     2004/07/11放映   DVD10巻収録 追記有。

第38話。
ウィンリィがお墓参りしています。立つのはマース・ヒューズと刻まれた墓標の前。そこへ、同じく墓参りにきたシェスカと出会います。一方、エドとアルは二週間ぶりに登場。まだイシュヴァールへ向かっている途中です。ウィンリィの改造車が爆発してエドの頭も大爆発。…見たときはどうしようかとおもっちゃいました…(これは笑うところなのか!?みたいな。)

さて、今話でエドとアルが大喧嘩します。錬金術師の喧嘩ってあんな風になるんですねぇ。なんか、すごい。しかも往来で。(なんてハタ迷惑な。)いまさらですが、エドとアルはやはり性格が違いますから、これからの姿勢に対して若干やはり違いが出てくるわけです。エドのやり方に不満をぶつけるアル。いや〜この回のこの二人の喧嘩ってすごく子どもっぽくて面白い。アルって錬成陣書くの速いですねぇ。どうでもいいですが。喧嘩した二人は別れ別れに。そしてアルは、はぐれてしまっていたマーテルと再会します。マーテルとの会話で、スカーを止めなければいけないと自覚するアル。一方、エドはアルを探しながら街を彷徨い、昔の思い出を振り返ります。夕焼けが本当にキレイです。川のほとりでいじけるように座るアルを迎えるエド。すごくお兄ちゃんぽい。

そして、シェスカと出会ったウィンリィは、ヒューズの死についてシェスカの考えを聞きます。シェスカはかなり近いところまで行き着いています。こんなやつをウロボロス組はほったらかしていいのかい。まぁ、ヒューズがクビにしたおかげで彼女は難を逃れたんでしょうねぇ。シェスカは大総統秘書官、ジュリエット・ダグラスに疑いを持つところまで来ています。(ま、「宇宙人」発言には脱力してしまいましたが。おいおい、宇宙人なんて考えがこの世界にあるんかい…!みたいな。)ウィンリィの提案で、軍内部の盗聴を画策するウィンリィ。…こわいこと考えるなー。仮にも軍にですよ!?それにしてもウィンリィのスキル、すごすぎです。うらやますぃ。(て何をしでかすつもりですか 笑)そして、二人はエンヴィーとスロウスの会話を盗聴します。エンヴィーは北にいるらしく。しかし、電話回線の状態の悪さから、スロウスは「仕事がまたひとつ増えたみたい」。…こわすぎです。そして、ウィンリィとシェスカの前にお化けのような(笑)形になって襲い掛かる?(これってギャグではないですよね?半笑いしながら見てました)スロウス。しかし、スロウスの顔を見たウィンリィは驚愕の表情で呟きます。「お母さん…?…エドとアルの、お母さん…。」その言葉に動きを止めるスロウス。かけつけたロス少尉とブロッシュ軍曹のおかげで、二人はなんとか助かります。

昔と同じように川のほとりに座るアルをエドは迎えます。エドに対して、イシュヴァールへ向かうということを告げるアル。それにしても、アルが錬成してるアレって…(汗)。イシュヴァールへ向かう二人に、マーテルが声をかけます。マーテルを止めてみせると言うアル。なんだかんだ言って、エドとアルは仲直りしました。(ウィンリィをお嫁さんにするのはどっちだ?ネタがようやくここで出てきましたよ…。)
まぁ、とりとめもない進むお話、というところです。二人の決意を表したかったんでしょうか。…なんだか微妙な回でした。


DVD追記
裏鋼。声優さんすげー!!つか、エド、マニアックすぎ。お前の趣味がそんなだったら泣くぞ。
つくづく色んな人から狙われてるね、エドv…実はお前、受…(略)


△この頁の一番上へ。
△第37話感想 へ。
▽第39話感想 へ。

雑記感想一覧へ戻る。




第39話 「東方内戦」    2004/07/17放映  DVD11巻収録。追記有。 
「お前は、リオールのことを知って、混乱しているっ!」
「だから頭を冷やしてくるのさ。」



ヒューズ宅で、ウィンリィとシェスカから事情を聞きだそうとするロス少尉とブロッシュ軍曹。しかし、ウィンリィは、軍の中で何かが起こっている、とだけ言います。そしてウィンリィはシェスカを連れてリゼンブールへと戻ります。(それにしてもウィンリィってシェスカよりも年上に見えるんですが…本当のところはどっちなんですかね?)
一方、東方へ向かう軍の列車の中で、ロイはかつて同じく国家錬金術師として戦ったキンブリーと再会します。(階級は中佐らしいです。)アーチャーに問い詰める大佐ですが、なんなく切り抜けるアーチャー。しかも何気にアーチャーは大佐へ昇進したらしいです。な〜んかヤな感じです。
そして、エドは、砂漠の真ん中でマーテルに対し、グリードを殺したことを告白。しかし、マーテルの復讐の矛先は、エドにではなく、ホムンクルスと軍、そしてグリードを裏切ったキンブリーに向けられます。
イシュヴァールへ改めて向かう三人ですが、その中で、唐突にアルが「ロゼさん、元気かな?」といいます。そういや居たな〜。何話かで出たっきりですが。「誰だ、そいつ」と言うエドですが、たぶん覚えていると思われます。どうやら近くにリオールの街があるらしいです。イシュヴァールに着いたエドたちですが、そこは廃墟とも言えない砂漠の地が広がるのみでした。マーテルはイシュヴァールの内乱の真実をエドたちに話します。すなわち、戦争の火種となるように特殊工作を行い、それが内乱へと発展したと。エドたちが信じていたイシュヴァール勃発の話とは全然違うわけです。そして、マーテルは、自分の身体をキメラにされた過程を生々しく語ります。開戦の真実に怒りを感じるエド。そこへハボック少尉たちが登場。どうしてこんなとこにいるんですか?ハボックとブレダに連れられ、マスタング大佐と会うエドとアル(と、アルの中に入ったマーテル。)。大佐はエドに対して管轄下に入るように言う大佐。エドが国家錬金術師なんだなぁとちょっと実感。スカー追う理由を尋ねる大佐。

「街の名はリオール。
昨年、街に圧政をしいていた教主が退任し、軍の駐留で平和が戻ってきたばかりで…」
「フュリー曹長…」
「は?」
「…彼は、知っている。」


軍の監視用気球から撮影した写真から、リオールの街そのものが錬成陣になっていることを知るエドとアル。報告をしなかった大佐を責めるエドですが、大佐は切り捨てるように言います。「お前の手にあまるからだ」と。かつて自分がクビを突っ込んだ街が、平和を取り戻したと思っていた街が、実は自分がそう思っていただけだという現実をつきつけられるエド。ここでリオールを持ってくるとはうまいことをするものです。第1、2話での舞台に、ここに来て舞い戻ってきたのですから。

「お前は、リオールのことを知って、混乱しているっ!」
「だから頭を冷やしてくるのさ。」


アーチャーと取引するエド。アルを置いておくという条件で、エドはリオールへ向かう許可を得ます。いつになく冷静さに欠けた言動はマスタング大佐のものです。(冷静さを失っているのか?)エドのことを「鋼の」などとは呼ばすに「エド」と呼んでいます。変装して出発するエドに、銀時計を置いていくように言うアームストロング少佐。

「エドワード・エルリック…なぜ、ここに来た…」
「…運命、かな?」
「らしくもない。運命など信じるお前達ではあるまいに。」
「……」


エドの銀時計はアーチャー中佐からタッカーのもとへ。「錬成増幅処理」を命じられたタッカーの目には、「忘れるな」と刻まれた文字が映ります…。

リオールへ潜入したエドは、そこで「聖母さま」と呼ばれるロゼを目にするのです。そして、スカーと再会します。

何かが始まろうとしている、そんな感じです。その舞台がリオールというのが非常に皮肉たっぷりで、鳥肌が立ちました。このアニメの始まりの場所です。そこへ、戻ってきてしまいました……。


DVD追記
裏鋼。おいおい…。シェスカの言葉になんか自虐的な気持ちになったヨ。でも、ホント、死ななくてよかったといまさらながらに胸をなでおろしたリ。ありがとう、アニメスタッフさま。(意味不明)


△この頁の一番上へ。
△第38話感想 へ。
▽第40話感想 へ。

雑記感想一覧へ戻る。




第40話 「傷痕」    2004/07/24放映     
「お前は、奴らがこの街で何をしたのか知っているのか。」

軍本部で、キンブリーを見つけてしまうマーテルは復讐のために彼に襲い掛かります。何の躊躇もなく、そのへんにいた軍人を爆弾に変えるキンブリー…。怖いです。「マーテルさんは人間です!」と怒るアル。相変わらず錬成陣を描くのがはやいです。キンブリーはアルに「この化け物が…!」と言い捨てるキンブリー。そこへ、マスタング大佐がやってきて、なんとかその場はおさまりますが…。

セントラルでは、ハクロ将軍が大総統代理に。そして、大総統はついに正体が見えました。
「賢者の石を求めるもののために、また街がひとつ、滅ぶ。」
そう言う大総統の横にはスロウスと、そしてエンヴィーの姿が。

リオールでスカーと再会したエドは、ニーナについてスカーを問い詰めます。
しかし、かなり器用ですねぇ、エド。いちいち機械鎧の組成を変えているそうです。そんなことしたらウィンリィに怒られるよ!と思ってしまいましたが。賢者の石を造ろうとするスカーを止めようとするエド。しかし、ラストとグラトニーがクビをつっこんできます。

「ラストと呼んで頂戴。」
「名前を告げた理由は分かるわね…。鋼の坊や。」
「ああ。今日でサヨナラってことだろ。」


ラストたちは賢者の石を造ろうとするスカーを守ろうとしたみたいです。しかし、それに対してスカーは、あるペンダントをラストに見せます。それを見て昏倒するラスト。
そして、ロゼ登場。口がきけなくなっています。その横にはライラが…。
なんでだよ!?

スカーはかつての兄とその恋人についてエドに語りだします。愛する人を失った人間が、イシュヴァール最大の禁忌「大いなる術」で愛する人を取り戻そうとした話です。ラストは、スカーの兄の人体錬成の失敗が元に生まれたということが引き出されます。お守りのペンダントの中には人間だったころのラストの遺髪が入っていました。だから、ラストはそれを嫌ったと。
そして、スカーの額の傷をつけたのがキンブリーであること、そして、スカーの右腕は、スカーを救うためにスカーの兄が与えたものだというふうにスカーの回想が続きます。

「お前、彼女が好きだっただろう…。
悪いな…。わたしが、先、に、会いにいく…。」


右腕と引き換えに、スカーの兄は死にます。スカーの兄は、自分の身体の中で賢者の石を錬成しようとしていた。そして、スカーの右腕はそれ自体、賢者の石の未完成品であるということが語られました。もうびっくりです。何が何やら…。しかし、非常に驚く話がこの後も待っていました……。

「お前は、奴らがこの街で何をしたのか知っているのか。」
「軍が、ロゼに何を…。」
「彼女は軍に連行され、帰ってきたときには言葉を失っていた。」
「!」
「それでも、軍を許せと言うのか。」


やめてくれ!! 正直、そう思ってしまいました。こんなアニメ、見るのやめてやる!と思いました。(まぁ見ていますが)なんでこんな設定、アニメでやるんですか?確かに、現実世界ではあります。そういう話は聞いたことがあります。そこをごまかさずに描こうとしたんでしょうが、何かはきちがえていませんかね?こんな細部設定をしてロゼをどんぞこまで突き落とす必要がどこにありますか?気持ち悪いでした。正直、後味がすごく悪いです。こんな設定にしてしまったら、救いがないじゃないですか。不幸に酔っているんでしょうか?この設定を描いた人。スカーの行為に理由付け、もしくは説得性を持たせたかったのでしょうか?リアリティを出してこのアニメがいいたいことに現実的な意味づけ、説得性をつけたかったのでしょうか?世界中で起きている憎しみの連鎖(戦争とその報復)を取り入れ、アニメでもそれをリアルに表現するためにこんな設定を持ち出したのでしょうか?それとも…(以下略) とにかくです。見ていて吐き気がしました。言いたいことはそこに収束します。描いた人がリアリティを追求するあまり自己満足にはしっているんじゃないでしょうか。別にこうした事実に目を逸らしたいと言っているわけではありません。が、それをこのアニメでする必要が本当にあるのか。ただし、単に非難するのは簡単ですから、このロゼの設定が本当に必要なものだったのか、今後の話を見ながらじっくり見極めたい…吐き気と不快感と怒りの中で、そう思いました。

一方、軍本部には大総統が到着。キンブリー、タッカーと、大総統の会話から、リオールにもまた大義名分のための工作を施そうとしていることが分かります。そしてその会話の中で、エドを切り捨ての駒のように言う大総統…。その会話を聞いたマーテルは大総統に命令を撤回するよう脅しますが、彼女の攻撃は全く通用しません。

「わたしに速い動きは通用しないよ。
最強の眼があるのでね。」


ついに姿を現した最後のホムンクルス。それは大総統でした。
マーテルはその事実をアルに伝えようとしますが、追ってきた大総統に殺害されます。大総統は、アルの鎧にその剣を突き立て、殺したのです。その様はまさに圧巻。鎧から滴る大量の血。感情をかみ殺すようにその場にへたりこむアルの足元を赤く赤く濡らしていきます…。



△この頁の一番上へ。
△第39話感想 へ。
▽第41話感想 へ。

雑記感想一覧へ戻る。