-アニメ鋼の錬金術師感想記- ……一週間遅れです。あしからず。
〜30話 第31話 第32話 第33話 第34話 第35話 36話〜
第31話 「罪」 2004/05/27放映 DVD9巻収録。追記有。 「手と足をありがとう。
出来損ないの命をありがとう。
どんなに憎んでも憎み足りないくらい感謝しているよ。
さぁ、君の身体全部くれ。
それで僕は、人間になる!」
さて、31話です。冒頭、スカーが腕の紋様と同じ模様をもつ壁を見つめ、それを変に怯えたじいさん(追放者?)が見つける、というシーンから始まります。
そして、エドのほうはというと、南方司令部で、大総統曰く「五つ巴」の中に。やはりエンヴィーですね。「知るかよ、そんなもん」って台詞だけがやけに浮いてます。しかし、司令部内の警報を聞いていると、いやでも鋼のゲームを思い出してしまいます…。ゲームやりすぎです…。頭に焼き付いて離れない…。
「筋肉なら見慣れているんだ。…もっと美しいやつを。」
……師匠、こんな時まで惚気ないでくださいよ…。しかもマジ顔です。
大総統に化けたエンヴィーに、謎のホムンクルスの少年はさらわれ、キンブリー達とエドは戦闘。師匠は少佐と戦闘です。ビドーを爆弾にしようとしたキンブリーのやり取りはちょっと笑いました。ビドー…かわいいです。
そして、謎の少年はエンヴィーによって、赤い石?のようなものを渡されます。必死で食べる少年。
「ようく味わって食べなよ。何百って人間の命が詰まってんだから。」
エンヴィーの台詞に石を吐き出す少年。
なんで赤い石(エンヴィーは命の石、と言ってますが)を食べないといけないんでしょう?どうやら、すごくおいしい?らしく、やっぱり必死になって少年は食べる。そして、何かを思い出す…。
それにしても、アーチャーはよくわかりませんねぇ。何がしたいんだか。キンブリー、なんだかグリードを裏切りそうな予感…。少佐は相変わらず、ほんといい人です…。痛くもない傷を痛がって、師匠を逃がそうとするなんて。
少年を探す師匠。再開した少年の身体には変な模様が…。やっぱホムンクルスなのか。(しかし、足の裏て…)エンヴィーは何かを企んでいるらしく。うーん、みんな何がしたいんだかさっぱりですよ。
後半。
師匠を探すエドとアル。そしてウィンリィの言葉から、師匠が人体錬成をしたことを知り、人体錬成をした場所、ヨック島へと向かうエドとアル。そのころ、ヨック島には師匠と少年が。少年の目つきがこわい……。
人体錬成の記憶を反芻するイズミ。ここの表現、結構エグイ…。死んだ赤ん坊の身体がもこもこ動く描写とか、すごい強烈な印象です。なんか、気持ち悪い。
少年の首を絞めようとする師匠。しかし、まるで人が変わったかのように少年が逆に師匠の首を絞める。
「私は、この子を殺すつもりだった。だが、私が死ぬべきだった…。」
「なぜですか!?」
「この子は……私が造った…。」
イズミは人体錬成の過去を告白します。
見ていて、すごく痛いでした。あの門の表現です。
「気づいたら、私は再び、あの門の前にいた。
エド、あの門の向こうには何が見えた?」
「…錬金術の全て。この世の理の全てが、自分の中に流れ込んでくるような気がしました。
…あそこには、真理があった……!」
「…私には、地獄に見えた……。
そこに、この子を……」
よく判らなかったのは、イズミが人体錬成によって生み出したものを門の向こうに差し出したところです。あれって何を意味するんでしょう?門の向こうに何があるのかは知りませんが、イズミはそれを「手品の種」と表現しました。エドのいう「真理」とは彼女は言わない。差し出されたそれが、なぜ今そこにあるのでしょう?エドの腕と足と思しきものを伴って。それって可能なんでしょうか?
「違う…。お前達のような人間が、興味本位で人体錬成をする…。
その結果誕生するのが、魂を持たない、肉体と精神だけを与えられた出来損ないだ。
それをお前達はホムンクルスと呼ぶのだ!」
覚醒?した少年が言います。ほんと、先週とは全然違いますね、こいつ。そして、ホムンクルス誕生の秘密。てことは、エドとアルの人体錬成の結果生み出されたものもあるというわけで…。
そして、一方ではグリードがエンヴィーとスロウスに遭います。スロウス…。つまりはそういうことなんですね…。
エンヴィーの台詞から、エドに対する憎しみが強いようです。…あいつっていうのはやっぱりエドの父でしょうか。
「手と足をありがとう。出来損ないの命をありがとう。
どんなに憎んでも憎み足りないくらい感謝しているよ。
さぁ、君の身体全部くれ。
それで僕は、人間になる!」
少年の口から、手足がエドのものであることが判明。
エドが人体錬成のときにもっていかれた手足を、この少年が貰った…?うーん、いまいち理解がついていきません。
驚くエド。
それに対してアルがやけに好戦的。
エドがやらないなら、自分が戦って兄の腕と足を取り戻す…と。……それって可能なんですか?
なんだか謎が解明されたようで実は増えている、というようなお話でした。なんとも言えないですね…。
それにしても、暗いですね…。この話。つ、疲れました。
あれ?そういえばスカーはどうなったんすかー?(爆)
DVD追記。
裏鋼。なんか、某化粧品メーカーのCMみたい…。何気に一番笑っちゃいました。
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第32話 「深い森のダンテ」 2004/05/30放映 DVD9巻収録。追記有。 「等価交換…か。
エド、お前はそれを信じているのか?」
「え…?」
「当たり前じゃないですか。何かを得るためには同等の代価を伴う。
錬金術だけでなく、この世界の原則です!」
今週の率直な感想です。イズミ、弱いよ、おい。
「アル!もう止めて!!」
「……何を言ってるんだ。あいつはホムンクルスなんだ。人間じゃないんだ…!」
妙な錬金術をやっぱり使うホムンクルスの少年。アルが頑張って戦います。イズミは弱く、エドはへたれてますよ…。アルは戦いながらエドを説得するように謎明かしをします。すなわち、少年が(ちなみにこいつ、ラースというらしいです。)錬金術を使えるのは手と足で循環の輪を作っているからで、身体を別の物質に変えることが出来るのホムンクルスだから。そしてホムンクルスなのに錬金術を使えるのは、こいつ(ラース)の手足がエドのものだから、と。
「欲しいのかい?僕の腕が。」
「俺の腕だ!」
「この足を代価にして、何かを得たんだろう?
弟の代わりにこの腕を支払った…。
だったら僕の手と足を奪う代わりに、何を支払ってくれるんだい?……等価交換…ー」
「…っふざけんなッ!!」
錬金術の基本は等価交換だったはず。ラースはこれを確かめたにすぎません。それに対して、「ふざけんな!」とラースの言葉を遮るエド。そこにあるのは自分の腕のはずなのに、信じているはずの絶対的(だとエドは考えているらしい)真理、つまり人体錬成でも超えられなかった壁でもある等価交換に行く手を阻まれ、一度は倒すラースの腕に機械鎧の甲剣を立てられないエド。
逃げ出したラースを追うエドとアルの前に立ちはだかるのは、大総統(に化けたエンヴィー)と秘書(スロウス)。なんでこんな島に大総統がいるんだよっ!て感じですよ。スロウスがスーツの胸を開けたときにはびびりました。というのも、中にお化けのようにふにゃふにゃしたラースらしき子どもがいるんですから。液体(水)に変化することが出来るスロウスって……いろいろ便利ですね。エンヴィーとスロウスの会話から「あの人」が近くにいること、そして「あの人」がグリードを作った、ということが判りました。
一方、スカーは追放者に詰問。スカーの腕に無数の命が生きている、と追放者は言いますがさっぱり意味がわかりません。スカーの兄は賢者の石を造っていたってことですかね?だとしてもスカーの腕となんの関係が?よくよく思い返せば、いつか出てきたスカーの兄の全身の紋様と、スカーの腕の紋様、似てますよね。てことは…???うーん。いまいちわからない。そして、大佐達が到着。ホークアイ中尉が凛々しくてカッコいいですv しかし、スカーを探す大佐達の前で、ヨキが殺され、事態はいっぺん。穏便に済みそうな雰囲気だったのに、軍のほうに動揺が走ります。なんだかどこかで見た光景。そこで思い出したのが、(実際に見たわけではありませんが)、なぜかイラクに駐留するアメリカ軍。なにかのドキュメンタリー番組か何かで、アメリカ軍の兵士がイラク人の攻撃に対して日々恐々としているという話を思い出しました。動揺が走る軍部も、強いられる緊張の中、過度にイシュヴァール人に対して反応します。その心理の根底にあるのは人種的な違いから差別の感情のような気がしました。…まぁ、実際にヨキを殺して人々を煽っているのはラストたちなんですが。思えば、ホムンクルスたちは人間の弱さにつけこんでいるようです。まるでじくじくとうらみの念を流すかのように。
暴動へと発展しそうな雰囲気を止めようと大佐が出張ります。関係ないですが、額に血を流しながら銃を握る中尉…なんか萌えました。
その頃、イズミ師匠はエド達を破門。しかし、見送りに来たシグさんが一喝。一度は去ったイズミの元を再びエド達は訪ね、元の身体に戻る方法を聞きだそうとします。
「あの子を向こう側に返してあげることも…」
「あれは…私の罪だ。私はお前達に教えることはできない」
「その罪も、俺達が背負います!」
ええええ〜。背負うってアンタ・・・…。
この発言は微妙じゃないでしょーか。なんで、この流れで「罪を背負う」っていう流れへ持っていこうとするのかが判りません。イズミが「教えない」と言っている理由が「罪」にあるというのは分かるんですが、なんでこう短絡的にこういうことを言っちゃうのかな、アニメのエドは。なんというか、ほんとに「心がチビのまま」ってやつですよ。
さて。今回の話でぽかーんとした後半ですが。
まず、いきなりぽんと師匠の師匠、ダンテが登場。
そして、なぜか、ライラが再登場。(覚えてますか?)
そして、グリードいわく、ダンテ=「なつかしい顔」。(ここで短絡的な私は考えます。グリードはダンテに作られた?)
いろいろと微妙な伏線なのかいきあったりばったりなのかよく判らない展開へと…(呆然)。
まず、ダンテって何?って感じですよ。いきなり出てきて、エドとアルに等価交換を説きます。そんないまさらわかりきったことを…。と最初はこの老婆を一蹴した私ですが、ビデオで見ながらだんだん嫌な気分に…。ようは今回の話は「等価交換に疑いをもつ」の巻なんですね。それにしても嫌な違和感…というのは、このダンテという人ですが、あまりにも「はまりきってい」て、すごい違和感を感じるんです。言うこともやることもみんな錬金術師らしすぎて…。この世界の錬金術師たちはこう言ってはアレですが、何かしらに苦しみ悩みながら生きています。ところが、このダンテという人は違うんですよね。あまりにもあっさりとステレオタイプ的なことを諭してみせる。それがかえって不自然すぎて疑わしい。まるで何もかも知っているみたいです。そして、それを聞いたエドとアルは自分たちは正しいはずだと「安心」する…。もうぷんぷんにおいます。つまりは、等価交換の否定がこのアニメの命題なのか?と。(よく考えればいまさらなのですが、アルも毎回冒頭で言ってますしねぇ。かつては「信じていた」と。)
それにしても、エド達の父、ホーエンハイムはどこへ行っても有名人ですね。ダンテでさえ、ホーエンハイムの居場所を聞いてきます。知らないと一蹴するエドですが。父のこととなるとどうしても依怙地になるエドです。そこへ、グリードたちがやってきます。そしてグリードにあっさり倒されたエド…。えええ(呆然)。狙いはアルです。ここらへん、微妙に原作にマッチしてますが、ダンテというばりばりのオリジナルキャラ登場でどうも集中できない回でした。(何をだ)
……DVD追記。
裏鋼。うわー聞いていて顔がニヤけるのが止められない…。年下の錬金術師って…。「ねぇえ、エド〜」というウィンリィの声に意識が持っていかれそうになりました…(恥)
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第33話 「囚われたアル」 2004/06/06放映 DVD9巻収録追記有。 「お前らホムンクルスが俺達錬金術師の生み出した過ちなら、
その過ちは、俺達錬金術師が正さなきゃならないんだ!」
ダンテとライラが人質?になった状態で、アルは一人で大勢をお相手。ここらへんの展開は微妙に原作通りです。そういえば、実はマーテルは意外にイメージ通りでしたね。そして、グリードから足を折られそうになるエドですが、グリードはダンテの視線を感じて引きます。てか、ダンテって何者なんですか??(前回も同じことを書いたような…)なんでアルが攫われたっていうのに、暢気に窓から外のエドとグリードの様子を伺ってるんだよ…?
エドはさらわれたアルを追って町へ探索に出ます。
一方、師匠はダンテを訪ねます。
「森の外では、世の中では、争いが続いている。
争いの火種は、悪意を糧に燃え上がり、飛び火し、広がっていく。
なぜ人は、争うことをやめようとしないのか…」
「誰もがあなたのように、森の中で錬金術のことだけを考えているわけではないのですよ。」
まるで、神様のようなことを言う人ですね、このダンテっていう人。前回もそうでしたが、この人はキレイすぎて、なんだか違和感があるのです。
「賢者の石を求める限り、遅かれ早かれ、あの2人に災いが降りかかるわ。
なぜ、止めないの?」
「あの子達は自分の力で答えにたどり着く。
その答えがどんな答えであろうとも、
少なくともあなたの理想とは違う答えに…。」
「…まだ、信じられないでいるの?」
「あなたとわたしは違いますから。
生き方も錬金術も。」
逆に、イズミは非常に人間らしいですね。(ちょっと不満だけど。この弱さは…)そして、ダンテに対して非常に反発的です。過去に何かあったんでしょうか?「もう会うことはないでしょうけれど」とイズミとの別れ際に呟かれたダンテの一言がなんだか怖い。
一方、連れ去られたアルは、グリードたちと会話。グリード曰く、アルは「永遠の命」だそうで。(身体がない魂だけの存在なのに?)グリードはアルの魂の定着についての情報を求めます。それにしても、グリードの再生シーンは、原作以上にエグイでした。やたらにリアルで。こういうのってこの時間帯に放送オッケーなんですねぇ。(首が飛んでますよ)
そこへ、登場したのが、イズミ師匠。Aパート終わり際に「主婦だっ!」っていうシーンがあるんですが、全然迫力がない……(泣)。原作ではすごい面白くて笑ったシーンでもあったのに。かなり残念。
少佐の情報により、エドはようやくグリードの居場所にたどり着きます。
「2人しておつかいも出来ないなんてねぇ…!」というイズミの台詞から、そういえばイズミの薬をダンテから取るというおつかいの続きだったのかぁといまさら思い出しました…。いやぁなんか展開についていけてません。それにしても、イズミ師匠、夫婦で戦っていますよ。すごい光景だ…。て思ったら、イズミまた出血サービスです。たくこの師匠は…て気分になりました(落ち着け)。
到着したエドと師匠が同時に錬成したシーンはおそろいで手をパンと叩いていて「おお」と思いました。(が、この後、またイズミが吐血…。もう何も言うまい。)
「お前、人を殺したことねーだろ?」
……いや、ありますよ。グリードの台詞にそう突っ込んじゃいましたが。すみません。(4話参照)
本気モードになったグリードさん登場。それにしても渋いですよねぇこの声。
戦闘途中で軍が突入し、グリードとの戦闘は一時中断。そこへ、キンブリーが何かの包みを持って登場。それをみたグリードが「裏切りやがったな」。
どうやらあれはグリードの弱点か何からしく。前回のエンヴィーの台詞から、あれはどうやら「頭蓋骨」らしいんですが、一体、誰のだ??それとグリード、何の関係が?
軍の突入とアーチャー中佐の命令により、動きを拘束されるエド。(ここらあたりはやっぱ軍の狗だなぁと思ったり。)
アルは攫われたまま、逃げるグリードたちと一緒です。どーなるんだ、次回。ってな感じで、今話は終了。
話がバラバラになってきている感じがするのは、私だけでしょうか?
それとも、最後にはうまく繋がるようになっているのか?
……DVD追記。
裏鋼。ライラ登場ー。萌え談義に花を咲かせるエド、アル、ライラ。……アニメ終盤のあの展開を意識しながら改めて見ると……な気分です。
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第34話 「強欲の理論」 2004/06/13放映 DVD9巻収録追記有。 「ホムンクルスってのはな、お前ら錬金術師が
人体錬成をした時に生まれる。
俺達は、蘇らせようとした人間の骨を前にすると、
まともに動けなくなる…。
そいつがホムンクルスの、弱点だ…・・・」
冒頭。肉屋で一人お留守番のウィンリィ。なんだかカワイイです。魔女の宅○便ぽい。それはともかく、エドたちのほうは大変なことになっているのですが。
突入した軍部に拘束されるエド。
そして、「ドルフ・J・キンブリー」。それが、キンブリーのフルネームらしいです。ファーストネームがドルフ!? どうでもいいところで驚いている私ですが。アーチャー中佐がキンブリーとタッカーを仲間に引き入れちゃいました。キンブリー…裏切り者め。
一方、逃げるのはグリードの一味です。
壁がぶち破られて軍部の新手がグリードたちを遮ったので、「とうとう大総統か?」(原作参照)と思ったら、……アームストロング少佐です。そこでロアさんと戦闘開始。少佐の錬成にはウケましたが。そしてエドと師匠とシグさんの身代わりの術に少しなごんでみたり…。
なんとか逃げおおせたグリードですが、残った部下はたった3人。それなのに、それなのに、今度はラストとグラトニーが彼を追い詰めます。「行ってください、グリードさん」とグリードを逃がすために盾になるのが、ロアとドルチェット。…ああ、ホムンクルスにかなうのか?と思うまでもなく、やられたのだろうというのが、グラトニーの口から流れる赤い血らしきものを見てわかるわけで…。判ってはいますが、なんとなく嫌〜な気分です。
「結局、ここへ戻ってきたってわけか。
なんでここに足が向いちまうんだろうなあ?」
ダンテの家を眺めながらこう言うのはグリードです。そして、それを見届けるラストとグラトニー。ここまできたらダンテが「あの人」だろうと予想はつくんですが。…が、問題はそう簡単ではなく。というのも、ダンテが死んでるんですよ!
「あなたがここへ来た理由は、ここがあなたが生まれた場所だから。」
グリードに向かってそう言うのはダンテではなく、なぜかライラ。
そして、ダンテの家へ足を踏み入れたグリードは、人骨の前で苦しみだします。どうやら、錬成陣が発動したらしく。しかし、錬金術師であるダンテはそのすぐ側で無残に切り裂かれて死んでいて、錬金術を使っているのはどうやらライラらしいのです。ここでもう???て感じです。何がどうなってるのやらさっぱり。ダンテが「あの人」かと思ったら、死んでいて、なぜかライラの前で苦しむグリード。そして、グリードが赤い石のようなものを次々と吐き出し始めるのです。
嘔吐が終わるころにエドがダンテ邸へ到着。惨殺死体を見つけたエドは、それがグリードの仕業だと勘違い。その勘違いを訂正もせずに、グリードはエドと戦闘。て、いうか、今気づいたんですがオープニングのあの戦闘シーンはないんですか???
グリードの最強の盾のからくりを解くエド。ここらあたりは原作通りですね。戦闘シーンはかなり迫力あります。そして、エドの甲剣がグリードの胸を貫き、「よくやった」という言葉とともに膝を折るグリード。
「ホムンクルスってのはな、お前ら錬金術師が
人体錬成をした時に生まれる。
俺達は、蘇らせようとした人間の骨を前にすると、
まともに動けなくなる…。
そいつがホムンクルスの、弱点だ…・・・」
そういって、赤い水に溶けるようにして死んだグリード。
衝撃のためか混乱して悲鳴をあげるエド。
なんだかものすごく後味悪い終わり方です…。(そりゃそうですが)
約束の時間が過ぎても姿を現さないグリードを待つマーテル。
さしこんできた朝の光に目をやるエドの目が廃人みたいで痛いです…見てて。
グリードとダンテを葬ったあと、旅立つエドとアルとウィンリィ。
「どうしても行くのか?」
「俺達は何があっても旅を続けます。
自分達の身体を取り戻すまで。」
そういって、旅立つエドたちを見送る師匠の顔はとても複雑そうです。
…う〜ん。やっぱり、おいてけぼりな感じで。あっという間にグリード死亡の巻って感じです。
それにしても、ライラは何のために登場したんだ……・
DVD追記。
裏鋼。ロアとキンブリー登場〜。ロアさん、いいキャラしてるvv名前付けようっていうキンブリーさん、あんた、声だけ聞いてるとホントいい人だよな…。
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第35話 「愚者の再会」 2004/06/20放映 DVD10巻収録。追記有。 「私はどこから来て、どこへ行くのか…」
第35話。
率直に感想を言いましょう。この回、意外に面白いでした。
「ええ…ある意味、あの男らしい死に方だった。
無様で、でも美しいほど激しく。」
どうやら、この回の話はラストに焦点を当てた話のようです。まず、なんでこの時にこんな話を入れたのかはまったくもって大きな謎で、相変わらず唐突にこんな話を入れるなぁと思ったら脚本家さんが例の人でああなるほど、と思ったんですが。内容もまったくもって救いの無い話でその上、グロイ。エグイ。いいとこ一つもありません。(けちょんけちょんにけなしてます…。)が、面白い、と思ったのが、冒頭のラストの台詞です。
「私はどこから来て、どこへ行くのか……。」
グリードの死は、彼女に何かをもたらしたようです。バカにするように「感傷的になってるの?」と言うのはエンヴィー。なんだか対照的な2人ですね。(グラトニーは相変わらずなのでおいておいて。)
ストーリーとしては。
師匠と別れたエド達はイシュヴァールの民を追って南を目指しているところを、暴漢(ゴーカン魔ですか?これ?)に襲われる女性を助けます。彼女は賢者の石を探すために姿を消したフィアンセ、ルジョンを探して旅に出たそうで。事情を聞いたエド達は、とりあえずこの女性、リビアを元来た村へ帰そうとします。その一方で、ラストは、かつて自分が錬金術を教え、赤い石を与えたこともあるルジョンと再会します。ルジョンはとある村ではやる「化石病」(これがまたエグイんですよ…。なんのホラーですか、コレって感じです)を治すために錬金術の研究をしていましたが、うまくいかない。雨の中、「小さき者をお助けください」と呟き続けるルジョンに、ラストはスカーの兄を重ねます。(しかし、ラストに生前の記憶があるのか?)
「あの村には忘れものがある…そんな気がしてたから。」
ラストの指導でルジョンは錬金術の腕をあげ、さらに与えられた賢者の石(おそらく赤い石)を使って、化石病を治します。が、リビアという婚約者と結婚が決まっていたルジョンは、次第にラストを愛するようになります。しかし、ラストはルジョンの気持ちにはこたえず、偽の賢者の石を彼から取り返さないまま彼の前から姿を消します。(それにしても、リビアとラストのやり取りはそれっぽくてなんかすごい…て思ってしまいました。というか、ラスト、色っぽすぎですよ!!!)ラストにとって、いつもと同じ、今まで繰り返してきたように、全ては賢者の石を完成させるための過程に過ぎない…。しかし、ラストは、再会しラストを抱きしめるルジョンを殺します。到着したリビアとエド達の前には、治療をする錬金術師を失い化石病で死滅した村の光景が広がります。(よく判らないのは、ここで突然リビアも感染して死んじゃうところですが、それはまぁ放置して。)エド達の耳に、村を去るラストたちが乗る馬車の音だけが響く…というところで終わりです。
ほんと、救いのない話なんですよ。こんな救いの無い話、妹には見せたくないなぁなんて暢気なことを考えていたのはまぁ置いておいて。
面白いと思ったのは、ラストがホムンクルスであるにも関わらず、死とそして生について逡巡するところです。ホムンクルスは不死ではないようですが、簡単には死にません。「人造人間」という言葉からも判るように、彼らは「人間」ではない。それなのにラストはグリードの死に感傷的になり、彼の死を、死に焦がれた者のように賛美します。彼女は「人間になりたい」と第五研究所でエドに言っていましたが、最終的には、ルジョンを殺す際に、「お前はわたしの小さな……汚点だ」と言い放っています。人間になりたいことを切望しながら、自分の中で暴れる微かな記憶と、その記憶を呼び覚ます男を殺すことで人間を否定しているのです。
思えば彼女の言動の中には、「人間は愚かだ」という台詞がありました。彼女の中で互いに矛盾した感情が揺れ動き、彼女を引き裂いているように見えました。まるで、ラストは思春期の女の子みたいです。別に思春期の女の子でなくともいいんですが、とにかく自分の生と死について思いをめぐらす彼女は、人間でないはずなのに非常に人間らしい。そこで生まれる矛盾が二重に三重に渦巻いて彼女を苦しめている様が見えて、とても面白い、と思いました。別に人間か、人間じゃないか、なんていうぶっとんだ次元でなくても、こうした逡巡は誰にでも経験あるものじゃないでしょうか。この経験は、他のホムンクルスでは今のところラスト以外では見られません。だからこそ、今後の彼女が非常に気になります。今回の話はそういう意味で非常に面白いでした。ラストがかなり好きになりました。……と、褒めてますが、これは素直に人に見せたい話じゃないですねぇ。(ビジュアル的に)こんなホラーじゃなくとももっと別の形はなかったんでしょうか。とにかく、救いのない話でした。しかし、非常に面白く見た回でした。
DVD追記。
裏鋼。DVD9巻の裏鋼の中で一番笑った!ホムンクルス・グリード、ラスト、グラトニー登場。グラトニーに食べられちゃったよ…グリードの中の人が。グラトニー、普段は喋らないくせに、裏鋼では準レギュラー並に喋るよな…。
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