トライアングル後記
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■まずは、この妙に長くなった連載にお付き合いくださり有難う御座いました。お礼申し上げます。
素直に短編か普通の連載形式でやればいいものを、なぜか100題で連載してて、
本当に、最初から最後まで行きあったりばったりな感が否めない連載でしたが、
終わって本当に良かったです。
 
■当初、この連載を構想した時にたてたプロットは6本でした。
ストーリーやカップリング、オチのつけ方から色々考えた結果、このような形に。
真っ先に消したのはアルウィンでした。理由は、二重の恋愛を書くと話がぼやけると直感したからです。幼馴染か恋人か、という話を書きたかったので、まずアルウィン路線を消し、アンハッピーなオチ路線も消しました。
あくまで書きたかったのは恋愛なんですが、恋愛の三角関係は次の機会にまわすとして、
まずは、幼馴染と恋人の違い、みたいな三角関係を書きたかったんです。
ただ、悲恋にも本当はしたくなくて。しかし、エドウィンを考えるとどうしても悲恋になってしまうんです。なんででしょうね?(聞くなよ)
感想メールの中に「アルエドですか?」と聞かれて思わず吹き出してしまいました。
いや、スゴイいい路線です、その推察。
実は、この「トライアングル」。今だから書きますけれど、元々は「アルエドを書いてくれ」という友人のリクエストに答えようとしてネタをひねっていたら生まれたネタで…(苦笑)いやいや、やはり一個のものに偏るのではなくバランスが大事だなぁと痛感しました。ネタになりそうなものには色々触れとけってことを改めて感じましたですv
まぁ、とにかく、これはエドウィン視点で書いたら面白くなるかもな〜と、友人と延々何時間も喋ったりして(あの頃は暇でした)さらっと、「じゃ、連載するよ」と言ったのが運の尽きでした。というのもですね、正直、この「トライアングル」、非常に書くのが苦しかったんです。更新予告しても、「トライアングル」のことを考えると憂鬱になってくる(笑)とにかくひたすら書くのが苦しい連載でした。考えれば考えるほど、エドとウィンリィが離れていってしまうんです。どうしたら、二人を幸せに出来るかな?てもうずっとそのことばかり考えて。人を好きになることってどういうことか、とか、はたまた、生きてるってことの定義、幸せの定義とか、そんな根本的なところにまで思考が飛んでいってしまって、ホントにくたびれました…。書いてる最中は楽しかったんですがね。とにかく細かくプロットひねる時が辛くて辛くて(苦笑)

■最終的に三人が出した答えについては、賛否両論あるかもしれません。ただ、プロット選択の時に、アルの位置・役どころをどう持ってくるか、というのが一つのキーポイントになりました。アルは体が無く、自分の存在意義とか存在感、生きるということの意味など、根本で曖昧なんじゃないかと思うんです。原作を何度読み直しても、アルのキャラってホントつかみ所がなくて。でも、多分単純にいい奴では終わらないだろうなぁと。だから、ウィンリィと秘密を共有させたり、エドに「忘れないで」とアルフォンスに言わせました。実際、アルはそんなに性格悪い奴ではないと思うのですが、単純にイイ人として出したくなかった。鎧の体という現実を前にしたアルが、本当にイイ人として立ち回れる気が全然しないんです。だけれど、三人とも根本的には優しい気がするから、じゃあ、一番の最良の道は「知らないフリをする」じゃないのかなぁと。あ、これは、エドウィンを成り立たせるという大前提で、ですよ。しかし逆に、アルは優しいですねぇ、とか、書いてる管理人の優しさを感じた、なんて感想を頂いてしまい、恐縮しました。優しくないですよ。簡単に優しく出来ないですよ。私なら無理です。が、その反面で、私は無条件に得られる優しさというものの存在を欲していますし信じていますから、どうしても「優しさ」を前面に出したくなってくる。で、矛盾が生じてきて、頭を抱えるわけです。その繰り返しで。連載中盤のあの中だるみはその迷いが出ていて、読み返して気分が悪くなりました。いや、ホント、自己嫌悪です。悪い癖が出ています。

■友人に言われた一言。「70.共有で終わっておけば締まりが良かったのに」…確かに。が、どうしてもただ単にシリアスでラブで悲恋で、という風に単純に終わらせたくなくて、こんな形にしました。書けば書くほど閉塞感が出てしまい、息が詰りました。が、それで終わらせたくなかったんです。彼らの目的は「前に進むこと」です。それに繋げる形で終わらせたくて、後半、話を詰め過ぎました。いやいや、ホント、連載って難しいなぁと改めて思いましたです。とてもいい経験になりました。

■けれども、結局、話のオチとしては、全然前進してないんですよ、この三人。(まぁ、エドとウィンリィは一線越えてますが)エドとウィンリィの絡みのシーンはあえて硬い文章で書きました。ラブ度を出したくなくて。期待してた方、ごめんなさい。どっちにしても、書きながら思ったことは、自分が萌える要素がかなり沢山詰っているのは確かだ、ということです。管理人のエドウィン萌えの原点だと思います。これ。アルはどうしてもはずせない、と思うんです。

■連載中は沢山のご意見やご感想を頂いてしまいました。非常に穿った解釈を加えてしまったので、苦情が来るだろうと思っていたんですが、意外に概ね好評でよかったです。むしろ、ハンパなものは書けないな、というプレッシャーになってとても楽しかったです。有難う御座います。

■さて、100題はしばらくは普通の更新に戻ると思います。とにかくもう一つの長編も進めませんと(笑)三角関係は恋愛におけるオイシイテーマなので、また書こうと今画策しています。あ、でもアニメ最終回後話も捨てられないですねー。さて、何から書きましょう?(聞くな)しばらく頭休めてまた次の短期?連載始めたいと思います。それにしても、読み直しながら、書き直ししたい、書き直ししたい、とうずうずうずうず……。

■それでは、とにかく終わってよかったです。感想等も本当に励まされました。有難う御座います。次回連載(まだ何やるか決めてもないけど)が始まったらまた覗きに来てやってくださいな。本当に、長々とお付き合い頂いて有難うございましたv

2004.12.10
karuna




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